肥塚龍

肥塚龍：激動の時代を駆け抜けた政治家・ジャーナリスト

肥塚龍（こいづか りゅう）は、嘉永元年（1848年）に生まれ、大正9年（1920年）に没した、幕末から明治、大正にかけての激動の時代を駆け抜けた人物です。彼は、政治家、ジャーナリスト、そして自由民権運動の活動家として、多岐にわたる分野でその才能を発揮しました。

生い立ちと初期の活動

肥塚龍は、幼少期に網干の大覚寺に入り、小坊主として山空和尚の指導を受けました。その後、京都に移り、賀茂神社の宮司である山本硯儒や、高倉西念寺の諦導和尚に師事し、学問を深めました。明治5年（1872年）には東京へ出て、工部省電信修技教場に官費生として入学しましたが、「東京曙新聞」でのアルバイトが発覚し、退学処分を受けます。しかし、この出来事を機に、中村敬宇に英学と漢学を学び、知識をさらに深めることとなりました。

ジャーナリストとしての活動

明治8年（1875年）には、横浜毎日新聞に入社し、ジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせます。その後、一時退社しますが、明治12年（1879年）に横浜毎日新聞が東京横浜毎日新聞と改題された際に再入社しました。社長の沼間守一と共に改進党に入党し、自由民権運動に身を投じます。彼の活動は、新聞記事を通じた言論活動として展開され、大胆かつ新しい視点からの主張は、多くの人々の注目を集めました。

政治家としての活躍

肥塚龍は、神奈川県会議員、東京市会議員、東京市参事会員、赤坂区会議員など、地方政治の分野でも活躍しました。明治23年（1890年）の第1回[[衆[[議院]]議員総選挙]]には、兵庫県第8区と神奈川県第4区から重複立候補しましたが、落選します。その後、明治27年（1894年）の第3回[[衆[[議院]]議員総選挙]]で兵庫県第8区から初当選を果たし、政治家としての地位を確立しました。以後、衆[[議院]]議員を8期務めました。明治30年（1897年）には農商務省鉱山局長となり、足尾鉱毒事件の調査にも携わりました。また、明治31年（1898年）には東京府知事兼東京市長に就任しますが、市制特例の廃止に伴い、短期間で両職を辞任することになります。晩年には実業界にも進出し、諸会社の社長などを歴任しました。

晩年と死後

肥塚龍は、大正9年（1920年）にその生涯を閉じました。彼の墓は、東京都中野区の青原寺にあります。彼は、位階として正五位、勲章として勲三等瑞宝章を授与されています。

業績

肥塚龍は、ジャーナリストとしては、自由民権運動を推進する言論活動を行い、政治家としては、衆[[議院]]議員を8期務め、東京府知事、東京市長も歴任しました。また、実業家としても活躍するなど、多方面で才能を発揮しました。彼の著書や訳書には、『自由言論』、『国会設立方法論 前編』、『横浜開港五十年史』などがあり、これらの著作は、彼の思想や業績を今に伝えています。

まとめ

肥塚龍は、激動の時代を生き抜き、ジャーナリスト、政治家、実業家として、日本の近代化に大きく貢献した人物です。彼の言論活動、政治活動、そして実業家としての活動は、後世に大きな影響を与えました。

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