航海訓練所

独立行政法人航海訓練所

独立行政法人航海訓練所（こうかいくんれんじょ、英称：National Institute For Sea Training）は、日本の国土交通省に所属していた独立行政法人です。この機関は、商船関連の学部や学科の学生及び生徒に対して、航海に必要な知識や技能を身につけさせるための訓練を提供していました。航海訓練所は、海運産業の専門家を育成するために重要な役割を果たしていましたが、2016年4月に海技教育機構に統合され、その航海訓練部として機能を継承しました。

本部所在地

本部の所在地は神奈川県横浜市中区北仲通5-57に位置する横浜第2合同庁舎であり、ここから様々な航海訓練が実施されていました。

沿革

航海訓練所の歴史は1943年にさかのぼります。この年、文部省所管の東京高等商船学校と神戸高等商船学校に関連する練習船が逓信省の管轄下に移され、航海訓練所が設立されました。最初に運航を開始したのは日本丸や海王丸等の練習船で、その後1945年に運輸省の所管となりました。

1969年には、練習航海中に大成丸が事故に遭い関门海峡でタンカーと衝突するという大きな出来事もありました。2001年の省庁再編により、国土交通省の管轄となり、同年4月からは独立行政法人航海訓練所として再スタートを切りました。また、2016年の統合により、海技教育機構陰に取り込まれるかたちで、航海訓練部に改編されました。

訓練対象となる学校

訓練所では、以下のような教育機関が航海訓練の対象として指定されていました：

• - 東京海洋大学海洋工学部
• - 神戸大学海事科学部
• - 商船高等専門学校
• - 大島商船高等専門学校
• - 広島商船高等専門学校
• - 弓削商船高等専門学校
• - 鳥羽商船高等専門学校
• - 富山高等専門学校（旧：富山商船高等専門学校）
• - 独立行政法人海技教育機構
• - 海技大学校
• - 各国立海上技術短期大学校

これらの学校の学生たちは、航海訓練所での専門的な実地訓練によって、より実践的な技能を学びました。

練習船

航海訓練所では、いくつかの練習船が運航されており、主に以下の船が活動に用いられました：

• - 日本丸（帆船）
• - 海王丸（帆船）
• - 銀河丸（ディーゼル船）
• - 青雲丸（ディーゼル船）
• - 大成丸 (4代)（ディーゼル船）

特に海王丸は、一般の人々を対象にした乗船研修や海洋教室を実施しており、幅広い層への海洋教育を行っていました。

過去の練習船

様々な代替わりをした練習船もあり、初代大成丸から始まり、2代目、3代目と進化し続けました。これらの船は、航海技術の習得のみならず、海運業界でのキャリア形成において重要な役割を担っていました。

航海訓練所の歴史は、海上技術の教育を通じて日本の海運業界に寄与するものとして、今後も多くの人々に成長の機会を提供し続けることでしょう。

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