船井電機

概要

船井電機株式会社（FUNAI ELECTRIC CO., LTD.）は、主にAV機器の製造と販売に注力する電機メーカーです。通称はFUNAIおよびフナイで、社是として「より良い製品を、より厚い信用を、より実りある共存共栄を」が掲げられています。また、コーポレートステートメントは「DIGITAL VISUAL ENTERTAINMENT」であり、デジタル映像エンターテインメントの提供を事業の核としていることが伺えます。

事業内容

船井電機は製造ラインの柔軟な調整（F.P.S.＝フナイ・プロダクション・システム）を行い、多様な家電製品の廉価での大量生産を実現しています。2023年現在、同社はテレビ事業を中心に展開しており、主に日本国外への製品輸出と他社へのOEM供給に取り組んでいます。日本国内では三菱ブランドやREGZAブランドのレコーダーを製造・販売し、北米市場ではMagnavox、Philipsなどのブランドでもテレビやレコーダーを供給しています。

特に、北米市場においは、同社のシェアは2016年時点で77％に上り、この大部分がテレビ市場からのものであり、激安テレビとしての地位から確固たる人気を誇ります。日本市場においても、2019年度には約70万台の販売台数を記録し、シェアは約10％にのぼります。

歴史

船井電機の歴史は1951年にさかのぼり、創業者の船井哲良氏が個人経営のミシンの卸問屋を設立したことが起源です。1961年には船井電機が設立され、以降はトランジスタラジオやビデオデッキ等の製造に取り組んできました。特に1980年代には、日本国内市場へ参入し、安価な商品の提供で競合と対抗。1990年代には北米市場に進出し、激安戦略で成功を収めました。

この戦略の成功により、船井電機は2000年代初頭には北米市場で最大のビデオ機メーカーとなり、テレビデオで60%を超える市場シェアを確立しました。しかし、2010年代に入ると、新興の中国・台湾メーカーとの競争に直面し、経営は厳しくなる傾向にありました。特に2017年には国内市場回帰を試みましたが、結果的にはうまくいかず、同社は秀和システムグループに再建を託しました。

近年の動向

2023年には持株会社制へ移行し、船井電機・ホールディングスの傘下となりました。また、同年4月には脱毛サロン「ミュゼ」を展開する企業を買収し、美容機器事業にも進出しています。このように、テレビ市場の限界を乗り越え、新たな事業の柱を確立しつつあります。今後もAV機器メーカーとしての地位を強化しつつ、多様なビジネスに挑戦していくことが期待されます。

株式関連

船井電機は以前、東京証券取引所や大阪証券取引所に上場していましたが、2021年には上場廃止となり、管理体制の見直しが進められています。経営改善に向けた努力が続けられており、今後の成長が期待される企業です。

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