芝浦機械

芝浦機械株式会社：工作機械から多角経営へ発展した総合機械メーカー

芝浦機械株式会社は、東京都千代田区と静岡県沼津市に本社を置く総合機械メーカーです。その歴史は1938年、芝浦製作所（現・東芝）からの分社化に遡ります。当初は工作機械の製造からスタートした同社は、長年の技術蓄積と積極的な事業展開により、現在では射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機、印刷機械、精密加工機、ロボット、油圧機器、半導体製造装置など、多岐にわたる製品を手がける総合機械メーカーへと成長を遂げています。

技術と革新の歩み：創業から現在までの軌跡

1938年の創業以来、芝浦機械は常に技術革新に挑戦し続けてきました。1939年には鶴見工場を開設し、大型工作機械の生産を開始。続く1942年には沼津工場を開設し、精密工作機械の製造に着手しました。戦後、企業再建整備法に基づき芝浦機械製作所を設立、東京証券取引所に上場を果たしました。

その後も、プラスチック押出機（1952年）、ダイカストマシン（1953年）、射出成形機（1956年）と、次々と新たな製品を開発・製造。1961年には芝浦工機と合併し、「東芝機械」と社名変更、さらに事業拡大を続けました。相模工場の開設（1964年）、大型産業機械工場の建設（1972年）、射出成形機工場の完成（1984年）など、積極的な設備投資を行い、生産体制の強化を図ってきました。

1987年には「東芝機械ココム違反事件」という大きな出来事を経験しましたが、これを乗り越え、スカラロボット事業の譲渡（1996年）、食品機器部門の事業移管（1999年）、オフセット輪転印刷機の事業譲渡（2001年）、半導体装置事業の分社化（2002年）など、事業ポートフォリオの見直しと再編を積極的に行ってきました。さらに、油圧機器事業の分社化（2008年）、ハイエストコーポレーション株式の譲渡（2015年）、東芝からの株式取得による筆頭株主変更（2017年）といった動きを経て、2020年には社名を現在の「芝浦機械」に変更し、新たな一歩を踏み出しました。2021年には東京と沼津の二本社体制を構築しました。

幅広い製品群：多様な産業ニーズに対応

芝浦機械は、工作機械をルーツとする高い技術力をベースに、多様な製品群を提供しています。主な製品としては、射出成形機（電動式、油圧式、液状シリコン用など各種タイプ）、ダイカストマシン、押出成形機、印刷機械、工作機械（横中ぐり盤、マシニングセンタ、ターニングセンタなど）、精密機器（非球面加工機、ガラス成形機など）、電子制御装置（NC装置、PLC、サーボアンプなど）、ロボット（スカラロボット、直交ロボット、液晶ロボットなど）、鋳物などがあります。中でも横中ぐり盤は国内トップシェアを誇ります。また、バンダイとの共同開発による世界初の4色多色射出成形機も注目に値します。

グローバルな展開：海外拠点と技術提携

国内市場にとどまらず、芝浦機械はグローバルな展開も積極的に推進しています。中国の上海、タイのラヨーン、インドのチェンナイなどに海外拠点を設立し、現地生産体制を構築しています。さらに、ドイツの重機械メーカーであるクラウスマッファイ社と技術提携を行い、射出成形機の分野で協業しています。

未来への展望：技術革新と顧客満足の追求

芝浦機械は、「View the Future with You」というコーポレートステートメントを掲げ、顧客と共に未来を見据え、技術革新と顧客満足の追求を常に心がけています。これからも、多様な産業ニーズに対応する革新的な製品とサービスを提供し、社会の発展に貢献していくことでしょう。

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