花園左大臣家小大進

花園左大臣家小大進（はなぞのさだいじんけのこだいしん）は、平安時代後期の女流歌人で、その生没年は明らかではありません。彼女は、式部大輔・菅原在良の娘として生まれ、母は三宮大進という家柄でした。また、石清水別当光清と結婚し、小侍従と石清水別当成清の母としても知られています。彼女は、三宮小大進や内大臣家小大進とも呼ばれることがありました。

経歴

小大進は、初め母とともに後三条天皇の第三皇子である三宮輔仁親王に仕え、大進の娘であることから「小大進」と呼ばれるようになりました。その後、三宮輔仁親王の子である源有仁にも仕えました。一方で、光清の妻として8人の娘と成清をもうけました。歌人としては、久安百首の作者に選ばれたほか、『金葉和歌集』以降の勅撰和歌集に作品が収録されています。

成清が保元元年（1156年）頃に親の喪に服していた記録から、小大進の没年はそれ以前と推測されています。

逸話

『古今著聞集』には、鳥羽法皇の御所で衣装が紛失した際、小大進が嫌疑をかけられたが、北野天神に和歌で救いを求めたという逸話が残されています。この逸話により、彼女は身の潔白を証明できたとされています。しかし、この説話の原型は『袋草紙』や『続詞花和歌集』などにあり、本来は無名の女房の話だったと考えられています。北野天神に縁のある菅原氏であることや、歌人としての名声から、小大進にこの逸話が結び付けられたと考えられています。

『今鏡』では、和泉式部に匹敵するほどの恋愛歌の名手であり、「色好み」の女性として評されています。

作品

彼女の私家集は現存していませんが、勅撰和歌集には作品が残されており、その歌才が偲ばれます。

注釈

小大進は、その歌才と逸話で知られる平安時代の女流歌人です。

参考文献

足立有子 「勅撰集の女流歌人-32-花園左大臣家小大進」 『学苑』 15(1),51-59,63 1953年1月 昭和女子大学近代文化研究所

関連項目

石清水八幡宮
女房三十六歌仙
* 小侍従

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