若狭和田駅

若狭和田駅：小浜線の沿線風景と地域の暮らしを繋ぐ駅

福井県大飯郡高浜町和田に位置する若狭和田駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）小浜線沿線にある駅です。1925年、若狭本郷駅と若狭高浜駅間に若狭和田仮停車場として開業しました。その後、1934年には駅に昇格し、貨物・荷物の取扱いも開始。地域経済の活性化に貢献しました。しかし、1973年には貨物・荷物の取扱いを廃止し、無人駅となりました。現在は、自治体が窓口業務を受託する簡易委託駅として運営されています。

2005年には、駅舎が改築され、観光案内所を併設した「ピースフル和田」として生まれ変わりました。この改築によって、駅は単なる交通の拠点から、観光客を迎える顔としての役割も担うようになりました。改築された駅舎は、地域の活性化に大きく貢献し、近隣住民にとってより親しみやすい空間となりました。

駅舎内には自動券売機が設置されていましたが、現在は撤去されています。ワンマン列車の開閉扉は無人駅と同様の扱いですが、駅係員がいる時間帯は、乗車券などを列車を降りた後に係員に手渡すシステムです。

駅の構造と利用状況

若狭和田駅は、地上駅で敦賀方面に向かって左側に単式ホーム1面1線を有しています。シンプルながらも効率的な構造が特徴です。2019年度の1日平均乗車人員は124人と、安定した利用者数を維持しています。これは、周辺地域住民の生活に密着した駅として機能していることを示しています。

駅周辺の環境

駅周辺には、国道27号と福井県道237号が通っており、交通アクセスが良好です。駅北側には保健福祉センターや木材工場、小学校、郵便局などがあり、生活に必要な施設が充実しています。北西へ進むと、若狭和田海水浴場（若狭和田ビーチ）と和田漁港があり、美しい自然と豊かな漁業資源に恵まれた環境です。海水浴場周辺には、民宿などの宿泊施設も点在し、観光客にも人気のスポットとなっています。

一方、駅南側は田園風景が広がり、のどかな雰囲気です。駅のすぐ近くには若狭西部広域農道が通っており、その沿線には特別養護老人ホームや観光農園などがあります。このように、若狭和田駅周辺は、自然豊かな環境と生活に必要な施設が調和した、住みやすい地域です。

かつては駅前に高速バス「わかさライナー」の発着所がありましたが、2020年5月10日に運行が終了しました。

駅の歴史

若狭和田駅の開業から現在までの歴史を振り返ると、地域社会の変化と密接に関連していることが分かります。貨物輸送の盛衰や無人化、そして駅舎の改築など、様々な出来事が駅の歴史を彩ってきました。これらの出来事は、地域の産業構造や生活様式の変化を反映しており、若狭和田駅の歩みを通して、地域の変遷を垣間見ることができます。

参考文献

石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』（初版）JTB、1998年10月1日。ISBN 978-4-533-02980-6
『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR48 小浜線 舞鶴線・七尾線 氷見線・城端線 越美北線』朝日新聞出版、2010年6月27日
川島令三『【図説】日本の鉄道山陽・山陰ライン 全線・全駅・全配線 第2巻 北神戸・福知山エリア』講談社、2011年12月15日。ISBN 978-4-06-295152-4
『週刊JR全駅・全車両基地06』朝日新聞出版、2012年9月16日

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）
■小浜線
若狭本郷駅 - 若狭和田駅 - 若狭高浜駅

まとめ

若狭和田駅は、小浜線沿線における重要な拠点として、地域の生活と観光を支え続けています。今後も、地域住民の生活に密着した駅として、更なる発展が期待されます。

もう一度検索