荻窪タウンセブン

荻窪タウンセブンは、東京都杉並区の荻窪駅北口に位置する、地域に根ざしたショッピングセンターです。その歴史は、戦後間もない1946年に、現在のタウンセブンの場所に自然発生した闇市に遡ります。この闇市は「荻窪新興商店街」として発展し、地元の人々からは「新興マーケット」とも呼ばれていました。

当時の商店街は木造の建物が密集しており、火災の危険性が常にありました。また、建物の老朽化も進んだため、商店街は再開発を決意。その結果、新たなビルを建設し、商店街の店舗をそこに移転させることになりました。これが、現在の荻窪タウンセブンビルの始まりです。1981年、新興マーケットの跡地に、現在の約半分の規模でタウンセブンはオープンしました。

当初は新興商店街の店舗が入居していましたが、後に隣接していた西友荻窪店がタウンセブンの3階から5階に移転しました。さらに、西友荻窪店の旧建物があった場所に新たなフロアを建設し、西友荻窪店が増床。現在の形となったのです。運営は、新興商店街時代から荻窪商事株式会社が一貫して担っています。

特筆すべきは、開店以来、テレビCMを一度も放映していない点です。ただし、一時期のみ、TBSラジオでラジオCMが放送されていたことがありました。

歴史

1946年：荻窪駅北口に荻窪新興商店街が誕生。
1979年：タウンセブンビルの建設開始。商店街の一部店舗は仮店舗で営業。
1981年：タウンセブンビル完成。新興商店街店舗と西友荻窪店が入居。
1985年：安全対策としてスプリンクラー設備を設置。
1991年：エレベーターガールが廃止され、自動音声案内へ変更。
2004年：開店時から流れていた「タウンセブンのテーマ曲」が廃止。
2005年：エレベーターの着階案内を更新。トイレを改修し、洋式ウォシュレット付きに変更。1階に車椅子対応トイレを新設。
2010年：店内改装のため一時休業。改装後、営業再開。ポイントカード導入。ロゴを英字に変更（TOWN SEVEN）。
2013年：要望に応え、「タウンセブンのテーマ曲」が約9年ぶりに復活。営業日の17時に流れる。
2016年：エレベーターの更新工事を実施。
2017年：2度目のリニューアルオープン。
2021年：西友フロア部分をリニューアル。5階に無印良品、6階にノジマと和真メガネがオープン。

売り場

タウンセブンは、地下1階から地上8階までの構造で、専門店街と西友荻窪店が共存しています。各フロアは、2010年のリニューアル時に名称が一新されました。専門店街は地下1階から2階、そして6階と7階の一部に位置し、残りのフロアは西友荻窪店が占めています。ルミネ荻窪店とは、1階と7階を除く各階で連絡通路が設けられており、相互にアクセス可能です。

地下1階：生鮮市場（旧称：にぎわいの街）。生鮮食品や惣菜などを販売。
1階：Daily Goods（旧称：ふれあいの街）。パン、薬局、服飾雑貨など。
2階：Ladies Fashion（旧称：おしゃれな街）。婦人服や雑貨など。
3階：西友（主に婦人服）。
4階：西友（主にベビー服、子供服、紳士服）。
5階：西友（主に生活用品、衛生用品）。
6階：Hobby & Relax（旧称：きままな街）。書籍、玩具、文房具、スポーツ用品、眼鏡など。
7階：Hobby & Relax（旧称：くつろぎの街）。レストラン街、100円ショップ、理髪店など。
* 8階：屋上広場（旧称：ちびっこひろば）。遊具や神社があり、荻窪商事株式会社本社もこの階にあります。

開店当初は、各フロアは「…の街角」という名称で呼ばれていました。

荻窪タウンセブンは、長年の歴史の中で、地域の人々の生活に深く根付いた存在となっています。その変遷は、まさに荻窪の街の歩みそのものと言えるでしょう。

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