莫

莫（ばく）姓の概要

莫（ばく）は、漢姓の一つであり、中華圏の著名な姓の一つとして知られています。『百家姓』では168番目に位置しており、その存在は古くから多くの歴史的な文献に記されています。

中華人民共和国における位置付け

2020年の第7回全国人口調査に基づく姓氏統計によると、莫姓は中国で97番目に普及している姓で、約259万人がこの姓を名乗っています。この数字は、莫姓が漢民族以外にも広がっていることを意味しています。特に、広西チワン族自治区では、この姓を持つ人々が多く、13番目に多い姓で、100万人以上の人々がこの姓を持っています。さらに、これまでの文献によると、鮮卑族の莫那婁氏が後に莫氏に改称されたことも記録されています。

台湾における位置付け

台湾においても、莫姓は存在し、2018年の統計によると第145位に位置し、5,461人がこの姓を名乗っていることが確認されています。

著名な莫姓の人物

莫姓を名乗る著名な人物には、多様な分野から名を挙げることができます。例えば、モックン（莫耶）は名剣の製作者として広く知られていますし、鄚玖は17～18世紀に活躍した東南アジアの探検者で本来は莫姓だったことが分かっています。また、清の学者である莫友芝や中華民国の政治家莫徳恵、詩人の莫洛夫など、歴史的な人物も多数存在しています。

さらに、現代のスポーツ界でも、バスケットボール選手の莫科や陸上競技選手の莫有雪、体操選手の莫慧蘭など、有名なアスリートも多くいます。香港の歌手・女優として知られるカレン・モク（莫文蔚）も、莫姓を名乗る著名人の一人です。

ベトナムにおける莫姓

ベトナムにおいては、莫（マクまたはマック）という姓も存在します。この姓の著名な人物には、陳朝の外交官である莫挺之や、莫朝の初代皇帝である莫登庸などがいます。彼は莫挺之の子孫であり、多くの歴史的な出来事に深く関与していました。その他にも、広南国の主である阮福源の妻、莫氏佳など、さまざまな歴史に名を刻んだ人物がいます。さらに、鄚天賜という名の人物は、母がベトナム人であり、西山朝の興隆時にシャムに逃れたものの処刑された悲劇の人物でもあります。

まとめ

莫姓は、中国及びベトナムにおいて多くの歴史的かつ文化的な背景を持つ姓です。その使用状況や著名な人物たちは、両国の歴史や文化に深く根付いたものとなっており、今後も多くの人々に受け継がれていくことでしょう。

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