菅井竜也

菅井竜也の将棋人生

菅井竜也（すがい たつや）は、1992年4月17日生まれの将棋棋士で、岡山県御津郡御津町（現在の岡山市北区）出身です。彼は井上慶太門下の棋士であり、棋士番号は278です。彼の将棋の才能が大きく花開いたのは、2017年に第58期王位戦で初めてタイトルを獲得した時です。菅井は振り飛車戦法を得意とし、「菅井新手」として知られる独自の序盤戦術でも注目されています。さらに、2015年には升田幸三賞を受賞しています。

プロ入り前の活動

菅井は5歳の頃に父から将棋を教わり始め、小学校4年生の時には将棋日本シリーズこども大会で準優勝を飾りました。この成果を受けて、全国大会にも参加するようになり、2003年には第28回小学生将棋名人戦に出場し、西日本の代表として準決勝に進出。最終的には3位入賞を果たしました。また、同年に開催された倉敷王将戦では高学年の部で優勝しました。

2004年、小学6年時には第29回小学生将棋名人戦で準優勝を果たし、アマチュア名人戦にも出場し岡山県代表として注目されました。この年には奨励会にも入会。奨励会の三段リーグでは積極的に昇段争いに参加し、最終的にプロ入りを果たしました。

プロ棋士としての活躍

2010年にプロ入りした菅井は、初年度から優れた成績を収め、32勝10敗の結果を残しました。この大会で羽生善治名人を破るなどの偉業を成し遂げ、その結果として五段に昇段しました。続く2011年度には、多くの重要棋戦において好成績を収め、第39回将棋大賞新人賞を受賞しました。

特筆すべきは、彼が2017年に挑戦した王位戦で、羽生王位に挑み、見事に王位を手に入れたことです。彼は初のタイトル獲得を果たしたことで、平成生まれの棋士として初のタイトルホルダーとなりました。

その後、2018年度には初防衛戦が行われ、豊島将之との対局で惜しくもタイトルを失いましたが、彼の活躍は続きました。2021年には銀河戦での初優勝を果たし、2022年には朝日杯将棋オープン戦でも初優勝を獲得しました。

棋風とスタイル

菅井は、基本的には振り飛車戦法を好んで使用し、久保利明を模範とした棋風を持っています。彼の独自の戦法には、「菅井流」と呼ばれる多彩な戦術があり、相手にとっては非常に読みづらいスタイルとなっています。近年では居飛車も取り入れるようになり、相矢倉を中心とした戦い方が見られます。特に序盤での研究に定評があり、彼の最新の戦法は他の棋士にも影響を与えています。

人物とその特異なエピソード

プライベートでは、ランニングを日課としており、健康維持に努めています。彼は電王戦でのニックネーム「振飛車電脳棋士」や、ネット上で知られる「勝率くん」と呼ばれるなど、その存在感を示しています。特に印象深いエピソードとしては、2018年の対局での反則負けがあります。この時、彼は相手の駒を飛び越える形で角を動かし、記録係が判断に困る異例の展開となりました。

今後も菅井竜也のさらなる活躍が期待され、将棋界における新たなヒーローとしての立ち位置を確立しつつあります。

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