菊川南陵高等学校

菊川南陵高等学校は、静岡県菊川市河東に位置する私立高等学校です。その歴史は、1985年に学校法人国際開洋学園によって設立された国際海洋高等学校に遡ります。その後、国際開洋第一高等学校と校名を変更し、2011年に現在の菊川南陵高等学校となりました。2021年度には生徒募集を停止し、休校という形でその歴史に幕を閉じました。

概要

設立当初、学校法人国際開洋学園の理事長であり、初代校長でもあった井脇ノブ子氏の方針のもと、全寮制24時間教育を特徴としていました。しかし、1995年以降、生徒数の減少と経営難に陥り、会計の不明朗さも指摘されました。2010年3月に井脇氏が退任後、体制を一新し、教育内容も見直されました。2018年時点では、小野尚子氏が法人理事長、菊地伸幸氏が名誉理事長、後藤雅典氏が校長を務めていました。2020年12月には、2021年春の生徒募集停止が発表され、その後の休校に至りました。

建学の精神と教育理念

菊川南陵高等学校は、「人格の完成を目指し、豊かな人生を自ら切り開いていく人材を育成する」ことを建学の精神として掲げていました。国際開洋第一高等学校時代には、「三恩十徳の精神に学べ／人間やる気だ! ガッツだ! 根性だ-! ／海のように大きく育て／そして世に一つの光を与えよ」という独自の精神を掲げていました。

学園訓は「思い切なれば　必ず遂ぐるなり」であり、「志を強く持ち、努力を続ければ必ず達成できる」という意味が込められています。学校像としては「信頼される楽しい学校」を目指していました。

教育方針（旧校名時代）

国際開洋第一高等学校時代には、全寮制、国際教育、夜間学習の推進を教育方針としていました。全寮制は、ジョージ・ブッシュ大統領をはじめとする世界で活躍する指導者の多くが全寮制出身であることから、魅力ある人格形成に役立つとされていました。少人数制の利点を活かし、夜間学習を積極的に推進していました。当時の寮生活は質素倹約を旨とし、食事も粗食が基本でした。例えば、朝食はご飯と味噌汁に肉団子2つ、昼食は食パンとジャムのみといったメニューが提供されていました。

現在

菊川南陵高等学校への校名変更を機に、「絆を実感できる、楽校生活」を謳い、新たな教育方針を打ち出しました。教育理念として「共育理念」と「社会的存在意義」を制定し、全寮制を見直し、通学生も受け入れるようになりました。寮生活も以前とは変わり、土日を含む朝昼夜の3食が提供されるようになりました。

沿革

- 1985年：学校法人国際開洋学園により国際海洋高等学校として設立。
- 1997年：国際開洋第一高等学校に改称。
- 2007年：日本高等学校野球連盟の発表により、特待生制度が発覚。
- 2009年：経営難に伴う閉校報道があったが、後に撤回。
- 2010年：井脇ノブ子氏が理事長・校長を退任し、新入生の受け入れを再開。
- 2011年：菊川南陵高等学校に校名変更、通学生の受け入れを開始。
- 2020年：姉妹校の和歌山南陵高等[[学校]]の通信制課程「りん」キャンパスの教育方針を踏襲した「りん」コースを新設。
- 2021年：生徒募集停止、休校。

基礎データ

- 所在地：〒437-1506 静岡県菊川市河東5442-5
- アクセス：しずてつジャストライン菊川御前崎線佐栗谷菊川南陵高等学校入口停留所より徒歩10分。

象徴

校章

国際開洋第一高等学校時代の校章は、21の波が円く船を囲む図案で、波の数は21世紀を意味し、円内の3本の線は信義、信頼、尊敬を表していました。菊川南陵高等学校への校名変更後、新たな校章が制定されました。

講演会

国際開洋第一高等学校時代には、二階俊博氏や小澤辰男氏などを講師に招き、講演会を開催していました。

高校関係者と組織

著名な教職員

- 井脇ノブ子（元理事長・校長）
- シジマール・アントニオ・マルチンス（元サッカー部コーチ）
- 金沢大将（校長・サッカー部監督）
- 田中幸雄（野球部監督）

出身者

- 近江七恵（フリーアナウンサー、タレント）
- 市場孝之（元千葉ロッテマリーンズ内野手）

脚注

外部リンク

- 菊川南陵高等学校 - 公式サイト（2021年5月27日現在パスワード制）
- 菊川南陵高等学校 - 公式ブログ

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