蒔田駅

蒔田駅は、神奈川県横浜市南区宮元町三丁目に位置する、横浜市営地下鉄ブルーライン（1号線）の鉄道駅です。駅にはB13の駅番号が付与されています。この駅が位置する場所は、1968年に廃止された横浜市電の宮元町三丁目電停と同一の地点にあたります。

概要

駅施設は、杉山神社の前に広がる神奈川県道21号横浜鎌倉線（通称：鎌倉街道）の地下に構築されています。駅の周辺地域は、様々な商店や事業所のほか、多くの住宅が軒を連ねる人口密度の高いエリアとなっています。

歴史

蒔田駅は1972年12月16日に営業を開始しました。開業当初、横浜市内に車両基地が存在しなかったため、高島駅から陸送された車両を本駅付近の鎌倉街道に設けられた開口部から搬入するという方法が取られました。この経緯を記念し、駅の1番出口通路には「横浜市営地下鉄第1号車両搬入の地」を示す記念銘板が、また鎌倉街道上には記念標柱が2ヶ所（1番出口付近と駅西側）に設置されています。安全対策としては、2007年6月23日にホームドアの運用が始まりました。さらに、バリアフリー設備の充実が図られ、2009年4月4日にはホームと改札口を結ぶエレベーターと多機能トイレの使用が開始されました。地上と駅施設を結ぶバリアフリー設備については、長らく鎌倉街道沿いの既存建物による用地確保が困難であったため未設置でしたが、近隣に建設されたマンションの計画に合わせ、その直下を活用する形で新たな出入口やエレベーターの設置工事が進められました。その結果、2012年3月31日に3番出入口（改札口、エスカレーター、エレベーターを含む）および2番出入口付近のエレベーターが供用を開始し、これによりブルーライン全32駅へのエレベーター設置が完了しました。また、2012年4月10日からはdocomo Wi-Fiによる公衆無線LANサービスも利用可能となっています。

駅名の由来

駅名の「蒔田」は、駅が位置する地域の古来からの地名「蒔田町」に由来しています。駅名の成り立ちには諸説あり、『更級日記』に記されている武蔵国の「あすだ河」を現在の大岡川とする考えに基づき、「あすだ」という名称が「明田」に転化し、さらに音が訛って「まいた」となり、これに「蒔田」の漢字が当てられたとする説が伝えられています。

駅構造

蒔田駅は地下式の鉄道駅で、相対式ホーム2面2線を有しています。改札階は地下1階、列車が発着するホーム階は地下2階に配置されています。前述の通り、2007年からホームドアが稼働しています。2009年以降、ホーム階と改札階間のエレベーターや多機能トイレといったバリアフリー施設が利用可能となりました。駅リニューアルの一環として、ホーム階には横浜市営地下鉄グリーンラインと共通のデザインを持つ駅名サインが導入されています。地上へのアクセスについては、鎌倉街道沿いの既存建物の影響で用地確保が難航していましたが、2012年の整備により、3番出入口にはエスカレーターとエレベーターが、2番出入口付近にはエレベーターがそれぞれ新設され、地上から改札階へのバリアフリー経路が確保されました。

のりば

ホームは以下の通り利用されています。

1番線：横浜・戸塚・湘南台方面
2番線：関内・横浜・新横浜・あざみ野方面

（※旅客案内上の名称による記載）

なお、ブルーラインの快速列車は蒔田駅には停車せず通過します。

利用状況

近年の利用状況を見ると、2022年度における1日の平均乗降人員は20,818人でした（乗車人員10,445人、降車人員10,373人）。この数値は、駅周辺が人口密度の高い地域であることを反映しています。

駅周辺

駅を取り囲む地域は、横浜市内でも特に人口密度が高いエリアの一つであり、駅の各方面に広範囲にわたり住宅地が広がっています。駅周辺には、蒔田商店街、蒔田東通り商栄会、そして少し離れた中村橋商店街など、複数の商店街が存在しますが、いずれも比較的小規模です。また、駅周辺には喫茶店、立ち飲み屋、蕎麦屋といった様々な飲食店が点在し、住民や駅利用者に利用されています。特筆すべき点として、地元ではよく知られている新宗教団体である大山ねずの命神示教会の本拠地がこの地域にあり、休日には多くの信者が当地を訪れるため、蒔田駅およびその周辺は大変な混雑を見せることがあります。その他、主要な施設としては、日本年金機構横浜南年金事務所、主要幹線道路である神奈川県道21号横浜鎌倉線（鎌倉街道）、横浜市立横浜商業高等学校（通称：Y校）、横浜英和学院、商業施設であるビエラ蒔田などがあります。駅前からはバス路線も発着しています。

隣の駅

横浜市営地下鉄ブルーラインにおいて、当駅の隣は湘南台方面が弘明寺駅（駅番号B12）、あざみ野方面が吉野町駅（駅番号B14）です。

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