複合機

複合機：一台で複数の機能をこなす事務機器

概要

複合機は、コピー、印刷、スキャン、ファクシミリといった複数の機能を1つの筐体に統合した事務機器です。デジタル画像処理技術の発展により実現した製品で、デジタル複合機や複合プリンタとも呼ばれます。MFP（MultiFunction Peripheral/Printer/Product）、MFD（MultiFunction Device）、SPC（Scan Print Copy）、AIO（All In One）などの略語も用いられます。

近年は機能が高度化しており、特にオフィス向けの大型機種では、HDDによるデータ保存、インターネットFAX機能、複数データの合成印刷、データ暗号化印刷、ステープラーによる自動製本機能（フィニッシャーユニット）などが搭載されています。さらに、Javaによる独自アプリケーションの追加も可能な機種もあります。

メリットとデメリット

複合機を利用するメリットは、設置面積の削減、購入費用とランニングコストの低減、インターフェースと電源の一本化などが挙げられます。一方、デメリットとしては、故障時の機能全停止、高頻度利用時の待ち時間発生などが挙げられます。

様々なタイプの複合機

複合機は、その規模や機能、対象ユーザーによって様々なタイプに分類されます。

オフィス向け大型製品

大型デジタル複写機にファクシミリやLAN機能を追加したものが多く、事務所での導入が一般的です。近年はカラー複合機の導入も増加しています。特に、POD（Print On Demand）サービスを行う印刷会社向けには、高速で製本機能が充実した超大型機も存在します。高価なためリース導入が多いのが特徴で、大量印刷に対応できる設計ですが、基幹業務利用の場合は保守契約が必須となります。

スモールオフィス向け小型カラーページプリンタ方式

廉価なカラーページプリンタとカラースキャナを組み合わせたA4/A3複合機で、小型で扱いやすい点が特徴です。耐久性が低いため大量印刷には不向きですが、導入コストが低く、コピーチャージがない点がメリットです。ADFやFAX機能を搭載した機種が主流となっています。

スモールオフィス向け小型モノクロページプリンタ方式

モノクロ印刷を低コストで行えるため、カラー印刷不要なスモールオフィス向けに最適です。A4サイズ対応の比較的安価な製品が多く、音声通信機能は別途電話機が必要な場合が多いです。

小規模オフィス・家庭向けカラーインクジェットプリンタ方式

スキャナやファクシミリ機能を追加した安価な製品で、家庭用PC周辺機器として普及しています。A4サイズ対応がほとんどで、メモリーカードスロットや直結USB端子によるダイレクト印刷（PictBridge機能など）、フィルムスキャナ機能、CD-R/DVDへの印刷機能などを備えた機種もあります。FAX機能がない機種や、留守番電話機能、コードレス電話機能、ADF機能、LAN/無線LAN機能、自動両面印刷機能などを搭載した機種もあります。家庭用と小規模オフィス用の境界は曖昧になりつつあります。

主要メーカー

(具体的なメーカー名は省略)

まとめ

複合機は、オフィスワークや家庭での文書処理を効率化する上で非常に役立つ機器です。多様な機種が存在するため、利用環境やニーズに最適な機種を選ぶことが重要です。導入前に、機能、コスト、保守体制などを十分に検討しましょう。

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