西之島(Nishinoshima Island)
西之島は日本の
小笠原諸島に属する無人の
火山島で、
父島から約130
キロメートル北西の
太平洋に位置します。この島は
活火山であり、登場以降幾度も
噴火を繰り返し、
1973年と
2013年の大規模な
噴火により、新たな陸地が現れるなど、火山活動が非常に活発です。特に、これらの
噴火は地表
面積を拡大する要因となっており、現在の西之島はその規模を一層増しています。
地理と火山活動
西之島は
東京の南方約1,000
キロメートルにあり、よく知られる硫黄列島および七島・硫黄島海嶺に属します。この火山体は
海底から約4,000
メートルの高さを有し、直径は約30
キロメートルです。従来の西之島に新たに陸地が加わることで、
面積はますます変動しています。例えば、
2020年8月までの調査では西之島の
面積は約4.1平方
キロメートルとなり、地形が急速に変化しています。
特に
1973年から
1974年、および
2013年以降の
噴火の際には、新たな
火口が出現し、多量の
溶岩が流出。
噴火後には新たに形成された陸地が直ちに西之島と合体し、さらなる陸域拡大が見られました。また、これらの火山活動は執拗で、流出した
溶岩により続々と新しい地形が形成されています。
西之島は独特な
生態系を持ち、
鳥類の繁殖地としても知られています。
1973年の
噴火以降、
植物は非常に少数しか生息していなかったものの、最近では
海鳥を通じて新たに
植物の
種子が運ばれるようになり、徐々に植生が回復してきています。特にアオツラ
カツオドリなどの
海鳥が繁殖し、子育ての様子が観察されています。しかし、
噴火によって一時的に
生態系が壊滅的打撃を受けることもあります。
調査と環境保護
西之島はその貴重な自然環境から、
2008年には国指定の
鳥獣保護区となり、特別保護地区として保護されています。このため、
人間の活動は厳しく制限され、研究者が入島する際には細心の注意が払われています。取材や調査では、外来の種が持ち込まれないように、身体の洗浄が求められ、上陸ルールが設定されています。
歴史
西之島の歴史は古く、約1000万年前に形成されたと言われています。
1543年の文献にもこの島が言及されており、その後
1702年に
スペインの
帆船によって「ロサリオ島」と名付けられました。近年では、
1973年、
2013年の
噴火などが特に注目され、新たな地形形成の記録がなされています。西之島の成り立ちや
噴火活動は、火山学の研究においても興味深いテーマとなっており、その観察は今後も続けられるでしょう。
結論
西之島は、日本における特異な
火山島として、その地形変化や
生態系の回復プロセスが注目されています。火山活動によって形成された新しい陸地は、自然の力を象徴しており、今後の変化について増々注目されることでしょう。