西東京バス

西東京バス株式会社：多摩地域と山梨県北東部を結ぶバスネットワーク

西東京バス株式会社は、東京都八王子市に本社を置く京王グループに属するバス事業者です。京王電鉄の連結子会社として、八王子市、あきる野市、青梅市を中心に、多摩地域西部と山梨県北東部の一部で路線バスを運行しています。

多様な事業展開

西東京バスの事業は多岐に渡ります。主な事業内容は一般路線バスの運行ですが、地域自治体からの委託によるコミュニティバス運行や、快適な旅行をサポートする高速バス・空港連絡バスの運行も担っています。さらに、貸切バス事業や特定バス事業にも参入しており、多様な顧客ニーズに対応しています。

特筆すべきは、本業のバス事業に加え、八王子市上川町で霊園の販売も行っている点です。これは、地域社会への貢献という側面からも重要な事業となっています。

1999年から2008年までは、一部路線を子会社である多摩バスへ移管していましたが、その後再統合され、現在は西東京バスが全路線を運行しています。2020年には、貸切バス事業を担う子会社として西東京モビリティサービス株式会社を設立し、神奈川県相模原市にも営業所を展開しています。

歴史と発展

西東京バスは、1963年10月1日、京王帝都電鉄（現・京王電鉄）傘下にあった高尾自動車、奥多摩振興、五王自動車の3社の合併により設立されました。特に奥多摩振興は、青梅電気鉄道（現在のJR青梅線）のバス部門をルーツとしており、長い歴史と伝統を受け継いでいます。

合併以前の各社は、それぞれ八王子、青梅、五日市地域で独自の路線網を築いており、その歴史は古く、高尾自動車は1916年に八王子駅と高尾山を結ぶ路線を開設、東京で最初の路線バス事業者となりました。奥多摩振興は青梅電気鉄道のバス事業を受け継ぎ、奥多摩地域の開発に貢献しました。一方、五王自動車は五日市地域を拠点に、秋川渓谷への路線を開拓するなど地域社会の発展に貢献しました。

設立以来、西東京バスは地域社会のニーズに合わせて路線網を拡充し、モータリゼーションの進展や都市開発に伴う人口増加、ベッドタウン化などに対応してきました。また、高速バスへの参入や、バス接近表示機の設置、リアルタイム運行状況案内サービスの開始など、時代の変化に合わせてサービスの向上にも努めてきました。

1999年の多摩バスへの路線移管と2008年の再統合という経験を経て、西東京バスは事業運営の効率化と利便性向上を図り、現在に至っています。

本社と営業所

西東京バスの本社は、東京都八王子市明神町にある「NTB八王子ビル」です。かつては「西東京ビル」に本社を置いており、ボウリング場「西東京ボウル」も併設していましたが、1992年に閉鎖され、その後現在地に移転しました。

バス営業所は、多摩地域西部に4ヶ所（楢原、中野学園車庫、五日市、恩方）と、神奈川県相模原市に西東京モビリティサービスの相模原営業所を1ヶ所設置しています。各営業所は、それぞれ担当地域に合わせた路線網を運行しています。車両の登録番号は、東京運輸支局八王子自動車検査登録事務所の管轄区域に所在する営業所は八王子ナンバー、相模原営業所は相模ナンバーとなります。

車両

西東京バスは、いすゞ、日野、UDトラックス、三菱ふそうの各社から車両を導入しており、近年はノンステップバスの導入にも力を入れています。一般路線車は京王電鉄グループの伝統を受け継いだ塗装が施され、高速バスや貸切バスは京王グループ共通カラーを使用しています。また、車内には英語放送や充電コンセントも備えた車両も運行しています。さらに、2023年にはBYD製の電気バスを導入するなど、環境問題にも配慮した車両更新を進めています。

コミュニティバス

西東京バスは、八王子市、羽村市、あきる野市、日の出町の各市町でコミュニティバスの運行を受託しています。これらのコミュニティバスは、地域住民の生活を支える重要な交通手段となっています。

高速バス

西東京バスは、新宿、東京駅、八王子から大阪、高松、松山を結ぶ夜行高速バスを運行しています。また、羽田空港や成田空港へのリムジンバス、東京サマーランドへの季節運行など、多様な高速バス路線を展開しています。

その他事業

西東京バスは、バス事業以外にも、霊園事業や不動産事業を手掛けています。八王子上川霊園の販売代行や、京王電鉄からの業務委託として上野さくら浄苑の募集代行なども行っています。

まとめ

西東京バスは、地域に密着した路線バス運行から、広域を結ぶ高速バス運行、そして霊園事業まで、多角的な事業展開を行う企業です。地域社会への貢献、環境問題への配慮、そして利用者の利便性向上を常に追求し、これからも多摩地域の発展に大きく貢献していくでしょう。

もう一度検索