西琳寺

西琳寺（さいりんじ）

西琳寺は、大阪府羽曳野市古市に位置する高野山真言宗の寺院です。7世紀前半に、渡来人である西文氏によって創建されたと伝えられています。創建当初は、難波宮と飛鳥を結ぶ竹内街道に面しており、現在よりも広い寺域を有していました。

歴史

『西琳寺文永注記』によると、西琳寺は志貴嶋天皇20年（619年）に、西文氏一族によって創建されました。境内からは、創建当時のものと思われる巨大な塔礎石や鴟尾が出土しており、創建当初の伽藍は、塔を東、金堂を西に配置する法起寺式伽藍配置であったと考えられています。

寺の歴史を記した『西琳寺文永注記』は、鎌倉時代の僧侶によって編纂されたもので、当時の古文書や金石文をもとに作成されました。この文献には、西琳寺の創建が欽明天皇の時代であるとする記録も残されていますが、出土した瓦の様式などから、推古天皇の時代に創建されたとする説が有力です。

安土桃山時代の兵火や明治時代の廃仏毀釈によって、中世以前の堂塔のほとんどが失われてしまいましたが、現在も本堂や西門、五輪塔などが残されています。

伽藍

本堂
西門
五輪塔

文化財

西琳寺には、以下の文化財が所蔵されています。

大阪府指定文化財
西琳寺石造五輪塔（附 同跌石1個、石造蔵骨容器1口）（建造物） - 鎌倉時代後期の作。
羽曳野市指定文化財
西琳寺跡出土鴟尾（考古資料） - 7世紀。
関連文化財
木造十一面観音立像（観音堂安置） - 国の重要文化財。長円寺に伝わる仏像で、西琳寺から伝わったとする説があります。

所在地

〒583-0852 大阪府羽曳野市古市2-3-2

交通アクセス

近鉄南大阪線 古市駅から約徒歩6分

脚注

関連文献

大阪府教育委員会「河内西琳寺の研究」第3号、大阪府教育委員会、1955年

関連項目

白鳥神社 (羽曳野市)

外部リンク

羽曳野市教育委員会
羽曳野市観光協会
羽曳野市 大阪府指定文化財
羽曳野市の文化財 西琳寺出土鴟尾

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