西臼杵広域行政事務組合

西臼杵広域行政事務組合：地域を守る防災と衛生の連携

宮崎県西臼杵郡に位置する西臼杵広域行政事務組合は、高千穂町、五ヶ瀬町、日之影町の3町で構成される、住民生活に密着した重要な役割を担う組織です。その歴史は、ごみ処理や葬祭場の運営を目的とした西臼杵郡衛生組合に遡ります。

組合の変遷：衛生から防災へ

かつて、西臼杵郡は消防の常備体制が整っておらず、消防団や役場職員が消防・救急活動の中核を担っていました。しかし、地域住民の安全・安心を確保するため、常備消防への移行が強く望まれていました。3町の協議を経て、2012年5月、西臼杵郡衛生組合に消防業務を追加することが決定。2013年4月には、組織名を西臼杵広域行政事務組合へと改称し、新たな一歩を踏み出しました。

消防職員の多くは、各町で消防業務に携わっていた職員が中心となり、新規採用職員も加わって組織が構築されました。経験の浅い職員も多くいたことから、延岡市からの支援を受けながら、組織の強化に努めました。この取り組みは、地域防災体制の強化に大きく貢献しています。

やすらぎの杜：地域に寄り添う斎場

2014年4月には、西臼杵斎場「やすらぎの杜」が完成しました。組合は斎場の管理運営も担い、地域住民の弔いの場を提供することで、地域社会に貢献しています。

西臼杵広域行政事務組合消防本部：地域住民の安全を守る

2015年4月には、西臼杵広域行政事務組合消防本部と西臼杵消防署が設立されました。高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町を管轄区域とし、37名の職員（消防長5名、消防職員31名）が約2万2千人の住民の安全を守っています。近年、消防本部の広域化が進む中、非常備から常備消防への移行は稀な事例であり、その取り組みは高く評価されています。この設立により、宮崎県内で常備消防を持たない地域は、美郷町、西米良村、諸塚村、椎葉村の1町3村のみとなりました。

消防本部組織と設備

消防本部は、消防長（延岡市消防長経験者が就任）、次長兼消防本部課長、総務係、警防係、予防係などから構成されています。西臼杵消防署には、署長、副署長、3つの係が設置され、迅速な対応体制を整えています。

消防車両は、水槽車、ポンプ車、救助工作車、指揮車、輸送車、機材搬送車、高規格救急車3台、軽救急車、消防長用公用車など、充実した設備を備えています。

まとめ：地域社会への貢献

西臼杵広域行政事務組合は、ごみ処理、斎場運営、そして常備消防の運営を通して、西臼杵郡の住民生活の安全と安心を守り、地域社会に貢献しています。その歴史と取り組みは、地方自治体の課題解決と地域活性化に向けた模範的な事例と言えるでしょう。将来も、住民ニーズに対応した柔軟な運営と、さらなる防災体制の強化が期待されます。

もう一度検索