日之影町

宮崎県日之影町：自然と歴史が織りなす山間の魅力

日之影町は、宮崎県の最北部に位置し、九州山地に抱かれた山間の町です。延岡都市圏に属し、東西約9km、南北約30kmの細長い地形が特徴。総面積の約90%を山林が占め、深いV字形の渓谷と、その斜面に広がる段々畑の風景が印象的です。年間平均気温は15.5℃と比較的温暖で、四季折々の自然を楽しむことができます。

地理

町の中央を五ヶ瀬川が貫流し、多くの支流が流れ込むことで、深い渓谷が形成されています。切り立った断崖と、その上に広がる耕地が階段状に連なる様子は、この地域独特の景観を生み出しています。町内には傾山、五葉山などの山々がそびえ立ち、祖母傾国定公園やユネスコエコパークにも指定され、豊かな自然環境が保たれています。

隣接する市町村

東は延岡市、西は高千穂町、南は諸塚村と美郷町、北は大分県佐伯市と豊後大野市と隣接しています。

歴史

日之影町の名前は、初代天皇神武天皇の兄である三毛入野命が、この地に「日の影（光）」が射したことに由来すると伝えられています。約2万年前の旧石器時代の遺跡も発見されており、古くから人々が生活していたことがわかります。飛鳥時代から奈良時代には日向国臼杵郡智保郷、平安時代には高千穂荘として、この地域は統治されてきました。安土桃山時代には延岡藩の支配下に入り、代官所が置かれました。

近現代

1951年に七折村と岩井川村が合併して日之影町が誕生。1956年には岩戸村の一部を編入し、現在の日之影町となりました。度重なる災害を乗り越え、2015年には周辺町村と一体で世界農業遺産に認定されました。2021年には町役場が移転し、新たなスタートを切っています。

行政

町長は佐藤貢氏（2013年就任）。町議会は議員定数8名で構成されています。国政においては衆議院宮崎2区に、県政においては高千穂町、五ヶ瀬[[町]]と選挙区を形成しています。

産業

町の主要産業は農林業です。かつてはスズの採掘が行われていましたが、現在は森林セラピーや特産品の生産に力を入れています。柚子、栗、椎茸、釜炒り茶などが特産品として知られ、特に竹細工は、その技術の高さから国内外で高い評価を得ています。森林セラピー基地では、癒しの森の案内人によるガイドウォークや自然体験が提供されています。

文化

日之影町には、大人歌舞伎、深角団七踊り、日之影神楽など、地域独特の伝統芸能が今も息づいています。これらの文化は、町の人々によって大切に守り伝えられています。また、竹細工資料館では、町が誇る竹細工の歴史と技術を学ぶことができます。

教育

町内には日之影中学校、高巣野小学校、日之影小学校、宮水小学校があります。かつて存在した中学校や小学校は統合され、現在に至っています。

交通

町内に鉄道は通っていませんが、最寄りの延岡駅からバスでアクセスできます。かつては高千穂鉄道が町内を走っていましたが、2008年に廃止されました。高速道路は、高千穂日之影道路が一部区間で供用されていますが、全線開通には至っていません。バス路線は、延岡市と高千穂町を結ぶ路線が運行されており、高速バスも利用可能です。

観光スポット

日之影町には、英国館、綱ノ瀬橋梁、第三五ヶ瀬川橋梁などの歴史的な建造物や、八戸観音滝、石垣の村、天神山つつじ公園などの自然景観が豊富です。また、町内には215基もの橋があり、特に青雲橋、龍天橋、天翔大橋は「三大橋」と呼ばれ、観光名所となっています。キャンプ場や宿泊施設も整備されており、多様なニーズに対応できます。

祭事・催事

大人歌舞伎や深角団七踊りなどの伝統芸能に加え、おひさまのおかげ「青雲朝市」やロードフェスタ、ひのかげ渓谷まつりなど、季節ごとに様々な催しが開催されています。

著名な出身者

漫画家の赤星たみこさん、厩務員の池江敏郎さん、空手家の中村誠さん、心臓血管外科医の高橋幸宏さん、フリーアナウンサーの高橋巨典さんなど、各界で活躍する著名人を輩出しています。

日之影町は、豊かな自然と歴史、文化が息づく魅力的な町です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してください。

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