観覧車

観覧車の概要

観覧車（かんらんしゃ、英語：Ferris wheel）は、大型の車輪状の構造物に複数のゴンドラを取り付けて、人々が乗車しゆっくりと回転する乗り物です。この乗り物は高所からの美しい眺望を楽しむためのアトラクションとして、世界中の遊園地や観光地で人気を集めています。

歴史

観覧車の起源は、18世紀初めのロシア・モスクワに遡ります。当時、ロシア帝国の貴族たちが楽しむための遊具として作られたもので、車軸に巻き付けたロープを人力で引っ張って回転させる仕組みでした。さらに、17世紀にはオスマン帝国のブルガリアにおいても、木製の大きな輪を人力で回す遊具が存在していたことが記録されています。

現在のモーター駆動式の観覧車が発展したのは、1893年にアメリカの技師ジョージ・ワシントン・ゲイル・フェリス・ジュニアが手掛けたことに始まります。彼の作り出した観覧車はシカゴ万国博覧会の目玉の一つとして建設され、直径は75.5メートル、2,160人が乗れるという当時としては非常に大きなものでした。この観覧車の名前「フェリス・ウィール」は、彼の名字に由来しています。その後、観覧車の設計は進化し続け、特にホイールに取り付けたガイドレールを使用したタイヤ駆動式が導入されたことにより、振動や強度の問題が改善され、大型観覧車が次々と建設されるようになりました。

世界最大の観覧車の歴史

観覧車の高さ競争は長い歴史を持っており、次第にその規模は拡大していきました。

• - 1893年: 初代観覧車（80.4m、シカゴ）
• - 1900年: グランド・ルー・ド・パリ（100m、パリ）
• - 1989年: アジア太平洋博覧会の観覧車（105m、福岡）
• - 1999年: よこはまのコスモクロック21（107.5m）
• - 2006年: 南昌之星（160m、中国）
• - 2008年: シンガポール・フライヤー（165m）
• - 2014年: ハイ・ローラー（168m、ラスベガス）
• - 2021年: アイン・ドバイ（250m、ドバイ）

これらの観覧車は、世界中で様々な形でその壮大さを競い合ってきました。

日本における観覧車の歴史

日本初の観覧車は、1906年に大阪の天王寺公園で開催された日露戦争戦捷記念博覧会で設置されたものとされます。その後、1907年には東京・上野の東京勧業博覧会にも電動式の観覧車が登場しました。日本国内でも観覧車の設置が進み、特に10階建てのビルに組み込まれた観覧車「HEP FIVE」（1998年）、さらには現在の日本最大の観覧車「REDHORSE OSAKA WHEEL」（高123m）など新たなスタイルも登場しています。

日本の観覧車の変遷

• - 1981年: 神戸ポートアイランド博覧会に「ジャイアントホイール」が設置（63.5m）
• - 1989年: アジア太平洋博覧会の観覧車（高105m）
• - 1999年: パレットタウン大観覧車（高115m）
• - 2016年: EXPOCITY内に「REDHORSE OSAKA WHEEL」が開業（高123m）

観覧車はその歴史と共に進化し続けており、特に見晴らしを楽しむための観光名所としての役割を果たしています。今後も新しいデザインや技術が導入され、さらなる進化を遂げていくことでしょう。

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