論座

論座（ろんざ）

『論座』は、朝日新聞出版が発行していた月刊誌で、1995年に創刊され、長年にわたり左派の論壇誌として注目されてきました。この雑誌は、1994年12月に発行された「週刊朝日増刊Ronza創刊準備号」を起源としており、翌年の3月に正式に『RONZA』というタイトルで初号が発行されました。この時期、雑誌は月平均約37,000部の売上を記録しており、新しい形式の論壇誌として期待が寄せられていましたが、様々な要因からその後の販売成績は厳しいものとなりました。

初期の展開と課題

創刊当初の『論座』は、B5判の週刊サイズで発行されましたが、書店で他の論壇誌や文芸誌との競争が難航したため、売上が伸び悩みました。1997年には誌面のリニューアルが行われ、現在の『論座』に改名され、発行サイズもA5判へと変更されました。これに伴い、朝日新聞の紙面でも『論座』の記事が紹介されるなど、様々な宣伝活動も展開されました。

左派論壇誌としての位置づけ

『論座』は、著名な左派論壇誌の一つとして、岩波書店の『世界』と対をなす存在感を持っていました。また、同誌は右派論壇誌である「正論」や「諸君!」との対比で、左右の立場を超えた議論を促すことに力を入れていました。自身の陣営にこもりがちな論者に対しても発言の場を提供し、保守派の言論人にも誌面を議論の場にすることで、対話を図ろうとしました。さらに、編集部が手がけた書籍『リベラルからの反撃』なども出版されていました。

経済的な困難と休刊

しかし、左派論壇誌の低迷が影響し、2008年には印刷部数が2万部に減少し、実売は1万部を下回ることもありました。このような状況が長期にわたり続いたため、採算が大きく悪化し、2008年の10月号をもって休刊する意向が発表されました。正式には2008年7月に休刊の決定が伝えられ、その後、復活の目途も立たずに消えてしまいました。

WEBRONZAの登場

『論座』の休刊後、2010年にはその名を冠した言論サイト「WEBRONZA」が開設されました。このサイトは朝日新聞の編集委員が中心となり、外部の専門家や評論家によるコンテンツを提供し、一般のユーザーにも広く利用されました。2019年には「WEBRONZA」の名称が「論座」に改められ、新たな情報発信の場として機能しました。しかし、2023年にはこのサイトも終了する旨が発表され、後継として「Re:Ron」という新しいサイトが始まることとなりました。

まとめ

『論座』は、日本の論壇において一時代を築いた雑誌でしたが、時代の変化や社会的背景の影響を受け、その地位を保つことができずに休刊に至りました。現在は、WEBを通じて新たな形で議論の場が提供され続けています。

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