豊中市伊丹市クリーンランド

豊中市伊丹市クリーンランド：府県境にまたがる清掃工場の歩みと革新

豊中市伊丹市クリーンランドは、大阪府豊中市と兵庫県伊丹市が共同で運営する清掃工場です。1961年、異例の府県境を越えたごみ焼却処理を行うため、両市が一部事務組合を設立。この協働体制は現在も継続され、地域住民の生活環境の維持・向上に貢献しています。

設立から現在までの歴史：技術革新と環境への取り組み

1962年にはごみ焼却場が、1964年にはし尿処理施設が完成しました。その後、1972年から1975年にかけて焼却炉を更新し、処理能力の強化を図っています。1992年には粗大ごみ処理施設を新設、それまで個別に実施していた粗大ごみ・不燃ごみの処理事業を事務組合に統合することで、効率的な運営を実現しました。

1997年には、ごみ焼却の余熱を利用した温水プールやフィットネスクラブを備えた「クリーンスポーツランド」が開業。地域住民の健康増進にも寄与しましたが、施設の老朽化や更新の必要性から2013年に休業、その後2016年に廃止となりました。

2016年には、「森の中の再生工場」をコンセプトに、最新の技術を導入した新型焼却処理施設が完成。従来の粗大ごみ処理施設跡地に建設され、環境負荷の低減と資源循環の促進に大きく貢献しています。

処理能力：高度な技術と設備

クリーンランドは、日立造船製の高度な設備を導入し、効率的なごみ処理を実現しています。

焼却炉: 1～3号炉（225トン/日×3）、4号炉（195トン/日）で、合計870トンの処理能力を誇ります。
粗大ごみ処理施設: 135トン/5時間（648トン/日）の処理能力で、大量の粗大ごみにも対応可能です。
リサイクルプラザ: 134トン/日の処理能力を持ち、不燃ごみ（53トン/日）と資源物（81トン/日）を分別処理することで、資源の有効活用を推進しています。

最終処分場は、大阪湾広域臨海環境整備センター（フェニックス）を利用しています。

アクセスと所在地

クリーンランドは、大阪府豊中市原田西町と兵庫県伊丹市岩屋にまたがる立地となっています。アクセスは、豊中市、伊丹市双方から阪急バスや伊丹市バスを利用可能です。

豊中市側: 北大阪急行緑地公園駅または阪急曽根駅から阪急バス95系統
* 伊丹市側: 阪急伊丹駅またはJR伊丹駅から伊丹市バス20～23系統、もしくはJR伊丹駅から阪急バス95系統

それぞれのバス停で「クリーンランド」で下車できます。

運営と連携

クリーンランドは、豊中市と伊丹市の合同一部事務組合によって運営されています。両市の議会は合同で「豊中市伊丹市クリーンランド議会」を設置し、施設の運営や政策決定に関わっています。

未来への展望

豊中市伊丹市クリーンランドは、今後も地域社会のニーズに応えるべく、技術革新と環境保全への取り組みを継続し、地域循環型社会の形成に貢献していくことが期待されています。 最新鋭の設備と、府県境を越えた両市の連携によって、より効率的で環境に配慮したごみ処理を実現し、安全で快適な生活環境を守り続けていくことが重要な役割となっています。

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