赤目口駅

赤目口駅：歴史と自然が交差する近鉄の駅

三重県名張市赤目町丈六に位置する赤目口駅は、近畿日本鉄道（近鉄）大阪線沿線にある駅です。駅番号はD48。昭和5年（1930年）10月10日、参宮急行電鉄の榛原～伊賀神戸間の開通と同時に開業しました。その後、幾度かの会社合併を経て、現在の近畿日本鉄道の駅となっています。

赤目口駅は、単なる交通拠点以上の歴史を秘めています。昭和20年（1945年）7月24日、終戦間近の時期、アメリカ軍機による機銃掃射を受け、駅周辺で多くの犠牲者が出ました。出征兵士を見送りに来た人々も犠牲となったこの悲劇は、今もなお地域に深く刻まれています。駅のホームには、この事件を物語る弾痕が残されており、歴史の重みを感じさせます。

平成19年（2007年）4月1日からはPiTaPaが利用可能になり、平成24年（2012年）3月20日には快速急行の停車駅にもなりました。利便性の向上とともに、多くの利用客に親しまれる駅へと発展を遂げています。しかし、平成25年（2013年）12月21日からは無人駅となりました。

駅舎は、地上駅で相対式ホーム2面2線の構造。改札口は上り線側にあり、下りホームへは地下道を通って移動します。ホームの有効長は10両分確保されています。無人駅であるにも関わらず、PiTaPa、ICOCAに対応した自動改札機や自動精算機が設置されているなど、利便性にも配慮された設備が整っています。名張駅の管理下にあります。

運行形態は、特急を除く全ての一般列車が停車します。大阪方面からの快速急行は当駅から青山町駅まで各駅に停車します。停車する列車の多くは急行で、桜井駅から榊原温泉口駅間は各駅に停車します。朝夕には快速急行や準急も運行されますが、区間準急や普通列車はラッシュ時や早朝・夜間のみの運行となっています。日中は急行が毎時3本、朝夕は快速急行、準急などが毎時3～5本停車し、平日夜間は大阪方面行きに急行も加わります。

近年は利用客の減少傾向が見られます。2005年には1日平均1878人の乗降客がいたのに対し、2022年には900人台にまで減少しています。これは、近年の交通事情の変化や人口減少などの影響が考えられます。

赤目口駅の周辺には、滝川郵便局、名張市立錦生赤目小学校、三十三銀行赤目支店、延寿院などの施設があります。また、三重交通のバス路線も充実しており、赤目四十八滝へのアクセスにも便利です。赤目線、赤目香落渓線などが運行されており、観光客の利用も多いです。

赤目口駅は、映画「赤目四十八瀧心中未遂」のロケ地としても有名です。駅舎や近鉄大阪線電車も映画の中で使用されており、映画ファンにとっても魅力的な場所となっています。

隣の駅は、上り方面が室生口大野駅（快速急行の場合）、三本松駅（それ以外の列車の場合）、下り方面が名張駅です。赤目四十八滝への玄関口として、そして歴史の重みを感じられる赤目口駅は、名張市の重要な交通拠点として、今後も地域社会に貢献していくことでしょう。

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