足利駅

足利駅：歴史と文化が香る、小京都の玄関口

栃木県足利市の中部に位置するJR東日本両毛線の足利駅は、歴史と文化が息づく「小京都」足利市の代表的な駅です。昭和初期に建てられた洋風木造駅舎は、関東の駅百選にも選定されており、その美しい外観は多くの人の心を捉えています。

歴史を刻む駅舎

1888年（明治21年）両毛鉄道の駅として開業して以来、足利駅は長きに渡り地域社会を支えてきました。1933年（昭和8年）に完成した現駅舎は、かつて両毛線の主要駅に多く建てられた洋風木造駅舎の一つです。高架化や橋上駅舎化が進む中、この駅舎は貴重な存在として、現在もその姿を保っています。

駅舎の歴史は、数々の出来事を物語ります。1980年（昭和55年）には南口が開設され、1984年（昭和59年）には貨物取扱が廃止されました。2001年（平成13年）にはSuicaが導入され、2006年（平成18年）にはみどりの窓口が廃止、自動券売機が設置されました。その後、バリアフリー化の取り組みとして2010年（平成22年）にエレベーターが設置されました。2008年（平成20年）には落雷による火災に見舞われましたが、修復を経て、現在もその姿は人々の目に映えています。

2019年（平成31年）には、駅舎は「現今の足利の礎を築いた交通・物流基盤施設、昭和モダンの風情と煌めきを留める歴史的建造物」として土木学会選奨土木遺産に選ばれました。駅舎の保存と活用は、地域の歴史と文化を継承する上で重要な取り組みと言えます。

近年では、2015年（平成27年）に森高千里の「渡良瀬橋」が発車メロディとして採用され、地域を象徴するメロディーが駅を彩ります。2021年には、両毛線をイメージした織物柄のデザインの駅名標が設置されるなど、駅は常に進化を続けています。

駅舎の構造と機能

足利駅は単式ホーム2面2線の地上駅で、列車の交換が可能です。かつては島式ホームも存在しましたが、現在は撤去されています。両ホームは跨線橋で連絡されており、2010年のエレベーター設置によりバリアフリー化が実現しました。

駅舎は直営駅（駅長配置）であり、思川駅から小俣駅までの区間を管理しています。北口には自動改札機、南口にはSuica簡易改札機が設置されています。みどりの窓口は廃止されましたが、指定席券売機が設置され、利用者の利便性が図られています。南口の建物や公衆トイレは足利市役所が所有しており、南口の改札職員も足利市が雇用しているという点も特徴的です。

駅周辺とアクセス

足利駅周辺は、都市郊外化の影響を受け、商業の中心は駅前からやや離れた場所に移りつつあります。それでも、駅周辺には足利学校や鑁阿寺といった歴史的な観光地が数多く存在します。

北口には、かつて両毛線貨物列車の牽引に活躍したEF60 123が静態保存されており、鉄道の歴史を感じることができます。その他、足利学校遺蹟図書館、太平記館、様々な銀行支店、郵便局、警察署、美術館、ホテルなどが駅周辺に立地しています。

南口側は渡良瀬川に面しており、白鷗大学足利中学校・高等学校などの教育機関も近隣にあります。また、東武伊勢崎線足利市駅も比較的近く、両線の利用により利便性が向上しています。

バス路線も充実しており、あしバスアッシーが駅前から市内各地へと運行しています。

利用状況

2023年度の1日平均乗車人員は約2860人です。近年は、周辺地域の開発や観光客の増加などにより、利用者数は変動していると考えられます。

まとめ

足利駅は、歴史ある駅舎、周辺の観光資源、便利なアクセスなど、魅力あふれる駅です。小京都足利への玄関口として、今後も地域社会を支え続ける存在であり続けるでしょう。

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