足立美術館

足立美術館の魅力と特色

足立美術館は、島根県安来市に位置し、近代から現代の日本画を専門とする美術館です。特に有名なのは、こちらのコレクションに含まれる横山大観の作品で、その数はなんと120点に及びます。これにより、美術館は大観の作品を収めたコレクションとして名を馳せています。

足立全康の情熱

この美術館の創立者は、地元出身の実業家である足立全康です。彼は1970年に美術館を設立し、71歳という年齢で一代の大コレクションを築き上げました。全康は作品収集に熱心であり、多くの逸話が残されています。特に『紅葉』や『雨霽る』といった大観の名作が含まれる北澤國男の「北沢コレクション」を1979年に手に入れた際のエピソードは非常に有名です。

日本庭園の美しさ

足立美術館のもう一つの大きな魅力は、広大な日本庭園です。設計は中根金作によるもので、面積は約5万坪にもなります。庭園は「枯山水庭」や「白砂青松庭」、さらに「池庭」といった多様なスタイルで、全康自らが全国から集めた庭石や松の木が配置されています。この庭は、専門の庭師やスタッフによって日々管理され、美しさを保たれていることも特徴です。全康の言葉を借りれば、「庭園もまた一幅の絵画である」という理念が反映されています。

この日本庭園はその美しさから、国内外で高く評価されています。特に、アメリカの日本庭園専門誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』のランキングにおいて、2003年から「連続日本一」に選ばれた実績があります。

収蔵品とアーティスト

美術館には横山大観の作品の他にも、竹内栖鳳、橋本関雪、川合玉堂、上村松園といった近代日本画の巨匠たちの作品が揃っています。また、北大路魯山人の書や陶芸、童画作家たちの作品、さらには木彫も多数収蔵されています。主な収蔵作品には、横山大観の『無我』や『新緑』、竹内栖鳳の『潮沙和暖』などがあり、これらは美術館を訪れる目的の一つとも言えます。

足立美術館賞と活動

また、足立美術館賞という特別な賞が設けられ、院展から選考された優秀な作品が美術館に収蔵される仕組みもあります。1995年に創設され、2005年からは春の院展にも対象が広がっています。選ばれる作品は全康の真摯な美術への情熱を感じさせるものです。

交通アクセス

足立美術館へアクセスする際は、安来駅からのシャトルバスや広域生活バスが利用でき、駅から約2分で到着します。また、安来インターチェンジからも近く、駐車場も完備されています。

メディアでの紹介

美術館はテレビ番組でも多く取り上げられ、特にその美しい庭園と貴重なコレクションが国内外の視聴者に知られることとなりました。多くの人々にとって、足立美術館は美術作品だけでなく、日本庭園の文化を体感できる場所でもあるのです。

足立美術館では、訪れる人々が美術や庭の美を感じ、理解を深められるような体験が提供されています。そのため、島根県を訪れた際にはぜひ立ち寄りたい場所となっています。

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