輸送航空隊

陸上自衛隊輸送航空隊：島嶼防衛の要となる最新鋭ヘリコプター部隊

陸上自衛隊第1ヘリコプター団に所属する輸送航空隊は、千葉県木更津市にある木更津駐屯地に拠点を置く航空科部隊です。2020年3月26日、V-22オスプレイとCH-47チヌークといったヘリコプター部隊として新たに編成されました。

主要な任務は、人員や物資の輸送、災害派遣など多岐に渡ります。特にV-22オスプレイは、その高い輸送能力と離着陸性能から、島嶼部への迅速な展開や離島防衛に大きな役割を担うと期待されています。

当初、V-22オスプレイの配備地は、長崎県佐世保市の相浦駐屯地にある水陸機動団との連携強化を考慮し、佐賀空港が最有力候補とされました。しかし、島嶼防衛態勢の早期構築を優先するため、暫定的に木更津駐屯地への配備が決定されました。

輸送航空隊は、V-22オスプレイを運用する2つの飛行隊と、CH-47チヌークを運用する1つの飛行隊を中心に構成されており、隊員数は約430名です。CH-47チヌークを運用する飛行隊は、熊本県上益城郡にある高遊原分屯地に配置されています。

沿革

輸送航空隊の沿革を以下に示します。

2020年3月26日：木更津駐屯地にて新編
2020年4月5日：隊旗授与
2020年7月10日：1機目のV-22オスプレイを受領
2020年7月16日：2機目のV-22オスプレイを受領
2020年11月3日：V-22オスプレイ飛行開始式典挙行
2022年7月28日：護衛艦「ひゅうが」へのV-22オスプレイ発着艦要領検証作業を実施（陸上自衛隊航空学校、海上自衛隊第51航空隊、掃海隊群と連携）
2023年9月5日：護衛艦「いせ」との協同訓練を実施し、V-22オスプレイの海上自衛隊艦艇への発着艦練度向上を図る（小笠原諸島周辺海空域）
2024年6月19日：V-22オスプレイの納入が完了（米軍岩国基地から17機目到着）
2024年7月11日：V-22オスプレイ納入完了式を木更津駐屯地にて挙行

部隊編成

輸送航空隊は、以下の部隊で構成されています。

輸送航空隊本部
本部中隊
第107飛行隊（V-22オスプレイ）
第108飛行隊（V-22オスプレイ）
第109飛行隊（CH-47チヌーク）（高遊原分屯地）
輸送航空野整備隊

主要装備

V-22オスプレイ
* CH-47J/JAチヌーク

今後の展望

輸送航空隊は、今後ともV-22オスプレイやCH-47チヌークの運用能力向上に努め、島嶼防衛の強化、災害派遣、国際貢献など、幅広い任務に臨んでいくことでしょう。また、他自衛隊との連携訓練を継続することで、相互運用性や緊急時の対応能力の向上に貢献していくものと考えられます。将来的には、佐賀空港への移転も検討されており、今後の動向に注目が集まります。

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