轟天号

轟天号（ごうてんごう）

轟天号は、東宝の特撮作品に登場する架空の兵器として知られています。特に映画『海底軍艦』(1963年)で初めて姿を現しますが、その後も様々な作品に登場し続けています。轟天号は「人類の最後の希望」として描かれ、多くの作品において最終兵器的役割を果たす存在とされています。

概要

轟天号は、戦艦と潜水艦の要素を兼ね備えた形状が特徴で、艦首には巨大なドリルが装備されています。大部分の作品で「飛行可能な潜水艦」として描かれている一方、宇宙戦艦のデザインが施された作品も存在します。その設計は、原作小説『海底軍艦』に登場する電光艇が元になっているものの、ドリルの想定を除くと別物とされています。

ゴジラシリーズへの関与

轟天号はその人気から、多くのゴジラシリーズ作品への登場が考慮されてきました。例えば、『ゴジラvsスペースゴジラ』や『ゴジラvsデストロイア』では新たな武器としての登場が検討されましたが、最終的には『ゴジラ FINAL WARS』で実現しました。特に、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』では、監督の金子修介が轟天号を防衛軍の兵器として登場させようとしましたが、その企画は断念され、役割が他の装置に移行しました。

登場作品一覧

• - 海底軍艦 (映画, 1963年)
• - 惑星大戦争 (映画, 1977年)
• - 新海底軍艦 (OVA, 1995年)
• - ゴジラアイランド (TV, 1997年) - 仰天号として登場
• - ゴジラ FINAL WARS (映画, 2004年)
• - 劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え！星の戦士たち (映画, 2005年)
• - GODZILLA 怪獣黙示録 / プロジェクト・メカゴジラ (小説, 2017-2018年)

特徴と設計

轟天号の設計は、特撮映画のためにデザインが施され、見た目の印象を重視しています。造形担当は小松崎茂で、この艦の設計にあたって潜水艦とロケットの違いを理解しつつ、観客に納得してもらえるよう工夫されています。造形物は多種類のミニチュアが製作され、艦橋や砲台の部位なども実物に近い形で作られています。特に轟天号の迫力を強調するため、浮上シーンには多くの特撮技法が駆使されています。

轟天の武装

轟天号は多様な武器を搭載しており、主兵装にはドリルから発射される冷線砲が存在します。その他、電子砲塔や回転式カッターといった武装も多岐にわたり、潜水能力も高く、深い海中でも行動可能です。この艦は特に、非常に高い水圧にも耐えられる設計が施されています。

制作と撮影技術

製作にあたっては、多くの特撮技術が駆使され、その表現は今なお観客を魅了します。特に浮上や航行のシーンでは、模型と実際の水を活用した撮影が行われ、リアリティが追求されています。キャタピラ型の変形など未使用ながら検討されたアイデアもあり、様々な可能性が探求されています。

その他の活動

轟天号名義の作品以外にも、その名は様々なメディアで取り上げられており、特にゲーム作品においても登場します。例えばファミリーコンピュータ用やスーパーファミコン用のゲームでは、ゴジラの敵役としてその存在が描かれています。

轟天号は言うまでもなく、特撮作品における象徴的な兵器として、今なお多くのファンに愛される存在です。彼の多彩な登場シーンと深い背景は、特撮ファンにとって特別な魅力を持っています。

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