近江町市場

近江町市場の魅力と歴史

近江町市場は石川県金沢市の中心部にあり、生鮮食品や生活雑貨を取り扱う約170軒の店舗が並ぶ活気ある商店街です。江戸時代の1721年に始まり、当初は加賀藩の御膳所でもありました。時代を超えて愛される場所として、地元の人々に「おみちょ」として親しまれています。

立地とアクセス

近江町市場は、国道157号の起点となる武蔵交差点の南東側に位置し、繁華街の香林坊からも徒歩圏内という便利な場所です。周囲には約2.8ヘクタールの敷地に約170店が集まり、「金沢市民の台所」としても知られる存在です。市場には、地域特産の加賀野菜や新鮮な海産物を扱う店が多く、観光名所としても訪れる人々に人気です。

商業活動の重要な拠点として、金沢中央信用組合がここに所在しています。また、近隣に位置する市姫神社が市場を守る産土神として崇敬されています。しかし、2015年の北陸新幹線開業以降、観光客の急増により、地元住民の利用が減少する傾向も見られ、観光公害の問題にも直面しています。それに対して市場側も、通信インフラの整備やキャッシュレス決済（PayPayなど）の導入を進めています。

歴史と市場の形成

近江町市場の前身となる地域は、金沢において最も古い町の一つであり、かつて尾山八町の中に存在しました。商人を近江国から移住させたことが町名の由来とされ、江戸時代にはすでに魚市場が発展していました。1690年には大火による移転を経て、1721年にはさらに小さな魚市場が合併し、近江町市場としての基盤が形成されました。

文化8年（1811年）頃には、市場の魚鳥商人のほとんどがこの町に集まっていたことが記録されています。明治時代にも市場は賑わいを持ち、その後の戦時中の取り組みや復興を経ても、地域の重要な商業拠点としての地位を保ってきました。

再開発と近江町いちば館

近年、近江町市場は老朽化が進み、防災体制にも課題が生じたため、再開発が必要とされました。2007年には「武蔵ヶ辻第四地区第一種市街地再開発事業」として本格的な取り組みが始まり、2009年に近江町いちば館が開業しました。これは地上5階・地下1階建ての商業ビルで、73店舗が入居しています。

市場内にはいくつかの通りがあり、青果、鮮魚などそれぞれの専門店が揃います。利便性を考慮し、近江町いちば館には100台分の駐車場も併設されており、市場へのアクセスも非常に良好です。また、金沢駅や北鉄金沢駅からは徒歩約15分の距離にあり、タクシーやバスでも容易に訪れることができます。

最後に

近江町市場は、金沢の食文化を支える重要な場所であると同時に、地域の歴史とも密接に結びついています。その活気ある商店街で、新鮮な食材を楽しみながら、金沢の文化にも触れることができる魅力的なスポットと言えるでしょう。

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