退蔵院

退蔵院

退蔵院は、京都市右京区花園妙心寺町にある臨済宗妙心寺派の寺院です。妙心寺の塔頭の一つであり、本尊は無因宗因禅師像です。特に、初期水墨画の代表作である国宝「瓢鮎図」を所蔵することで広く知られています。

歴史

応永11年（1404年）に、越前国の国人・波多野重通が妙心寺3世・無因宗因を開山として、千本通松原に創建されました。その後、日峰宗舜によって妙心寺山内に移されました。

応仁の乱で妙心寺と共に焼失しましたが、後奈良天皇の帰依が深かった亀年禅愉により、慶長2年（1597年）に再興されました。

境内

退蔵院の境内には、以下のような見どころがあります。

方丈（本堂、重要文化財）

通常非公開ですが、内部の襖絵は2022年に絵師・村林由貴によって新たに描かれました。以前は狩野派の絵師・狩野了慶による襖絵がありましたが、老朽化のため、村林由貴が最高級の素材を用いて新たに制作しました。
玄関（重要文化財）
方丈南庭
庭園「元信の庭」（国指定史跡・名勝）

狩野元信の作と伝えられる枯山水の庭園で、枯滝、蓬莱山、亀島などの庭石が配置されています。
庫裏
大書院
茶室「囲の席」
書院庭園
庭園「陰陽の庭」

「陰の庭」と「陽の庭」から構成されています。
庭園「余香苑（よこうえん）」

1963年（昭和38年）に造園家の中根金作によって作庭された池泉回遊式庭園です。三段落ちの滝やひょうたん池、水琴窟などがあります。
茶席「大休庵」
跳珠亭
山門

文化財

国宝

紙本墨画淡彩瓢鮎図

室町時代の水墨画家・如拙の作。足利義持の命により制作されたことが序文からわかります。瓢箪でナマズを捕まえるという禅の公案を絵画化したもので、日本の初期水墨画の代表作とされています。現在は京都国立博物館に寄託されており、寺にあるのは模写です。

重要文化財

本堂（方丈） 附:玄関、棟札
花園天皇宸翰消息
後奈良天皇宸翰徽号勅書
後奈良天皇宸翰消息

国指定史跡・名勝

退蔵院庭園（通称：元信の庭）- 1931年（昭和6年）7月31日指定。

所在地・アクセス

所在地：京都市右京区花園妙心寺町35番地
JR嵯峨野線「花園駅」下車、徒歩
京都駅より京都市バス「妙心寺北門前」（約40分）下車、徒歩
京福電鉄北野線「妙心寺駅」下車、徒歩

外部リンク

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