金町浄水場

金町浄水場の概要

金町浄水場（かなまちじょうすいじょう、英語名: Kanamachi Water Purification Plant）は、東京都の葛飾区に位置する重要な水道施設です。東京都水道局管轄のこの浄水場は、その名前が示す通り、金町という地区に所在しています。1981年の住居表示実施に伴い、単独の町名として確立されました。郵便番号は125-0043です。

施設の概要

金町浄水場は、東京都水道局金町浄水管理事務所によって運営されており、この事務所は三郷浄水場も統括しています。江戸川の表流水を活用しており、1日あたり約80万トンを採水・処理する能力があります。この水は、都内の12区に住む約250万人に供給されています。敷地の広さは、東京ドーム5.5個分にも相当します。

1985年には、厚生労働省の「近代水道百選」に名前が挙げられ、特に江戸川の右岸にある2基の取水塔はその独特なデザインから人気を集めています。また、金町浄水場は映画『男はつらいよ』シリーズや、人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』でも取り上げられ、地域の名所として知られる存在となっています。東京都水道局は2017年に、東京水道名所の一つにも認定しました。

沿革

金町浄水場は、1926年8月に江戸川上水町村組合の一部として竣工しました。しかし、1947年にはカスリーン台風の影響で、浄水場も浸水し、5日間にわたって給水が不能となるという厳しい状況に直面しました。高度経済成長期には、取水口上流での水質悪化により、特に昭和40年代にはカビ臭が強く、利用者から不満が相次ぎました。その結果、1984年には厚生省から「日本一まずい水道水」との評価を受けることに至ります。

状況を改善するために、東京都水道局は1992年から岡山県の技術を取り入れ、オゾンと生物活性炭を使用した高度浄水処理を開始しました。これにより水質が改善され、2013年には完全な高度浄水処理施設が完成し、東京の区部東部地域に供給することができるようになりました。この水道水は『東京水』として商品化され、一時的にですがボトリングされて販売されたこともあります。

設備

金町浄水場には多くの設備が整備されています。主な設備には以下のものがあります:

• - 取水塔（第2取水塔・第3取水塔）
• - 沈砂池
• - 取水ポンプ所
• - 高速沈殿池
• - 高度浄水施設
• - 急速ろ過池
• - 配水池
• - 送配水ポンプ所
• - 排水処理所
• - 受変電・発電設備（受電所、特高変電所、常用発電所、コージェネレーションシステム、太陽光発電設備）

アクセス方法

金町浄水場へのアクセスは非常に便利です。公共交通機関を利用して以下の方法が一般的です:

• - 鉄道: JR東日本常磐線金町駅の南口から徒歩約15分。または京成金町線柴又駅から徒歩約4分。
• - バス: JR常磐線金町駅南口から出発し、3番乗り場から京成バス（小55系統）小岩駅行きに乗車、約3分で「浄水場」停留所に到着します。たくさんの人々に利用される便利なアクセスです。

このように、金町浄水場は地域の重要な水源であるとともに、文化的にも大きな存在感を持っています。地域住民の生活に欠かせない水を日々供給しており、その役割は今後も続くことでしょう。

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