長崎市公会堂

長崎市公会堂の歴史とその後の跡地利用

長崎市公会堂（ながさきしこうかいどう）は、長崎県長崎市の魚の町にありました。1962年6月2日に開館したこのホールは、長崎国際文化センター建設事業の一環として設計され、鉄骨鉄筋コンクリート造の5階建てで、延べ床面積は5,992平方メートル、客席数は1,751を誇る立派な施設でした。長崎市内では、長崎ブリックホールに次ぐ規模を持っており、多くの人々に親しまれてきました。近代建築の美しさから「日本における近代建築100選」にも選出されています。

長崎市公会堂は、開館以来53年にわたり、多種多様なイベントが開催されてきました。音楽コンサートや講演会、演劇など多岐にわたる文化活動が行われ、地域の文化拠点として重要な役割を持っていました。また、公会堂の前に広がる広場も賑わいを見せ、長崎くんちの奉納踊りの会場として利用され、毎年多くの観客でにぎわいました。

昭和40年代には、日本プロレスの興行にも利用されました。特に1968年10月18日には、伝説的なレスラーであるジャイアント馬場とマッドドッグ・バションの特別シングルマッチが開催され、ファンの記憶に深く刻まれています。また、1977年から1991年までの間、長崎放送（NBC）が主催する新人歌手コンテスト「長崎歌謡祭」が開催され、多くの若手歌手がこの舞台から飛躍を遂げました。著名な歌手である本田美奈子や夏川りみもこのステージを経てスターへと成長しました。

1998年に長崎ブリックホールが開館し、客席数で公会堂を上回ることになったため、長崎市は当ホールの存続について悩みました。しかし、その独特な建築様式や文化的価値が評価され、2004年には存続方針が決定されました。さらに、2003年にはDOCOMOMO JAPANによって、日本におけるモダン・ムーブメントの建築にも選ばれました。これにより、長崎市公会堂はその価値が再確認され、イベント会場としてしばらく利用されました。

しかし、2023年1月4日、長崎市役所が新庁舎に移転した後、跡地には長崎市役所新庁舎が建設されることが決まりました。旧公会堂は老朽化が進んでおり、解体が進められました。解体工事は2016年から始まり、2017年には建物本体の解体が行われました。

今後は、旧長崎市公会堂の跡地に文化施設が建設される予定です。これは長崎市の新たな文化の拠点となることが期待されています。旧市役所庁舎が解体された後、その跡地は市民が利用できる文化的スペースに生まれ変わる計画が進んでいます。長崎市公会堂はその長い歴史に幕を下ろしましたが、新たな文化施設が誕生することで、さらに地域の文化は発展していくことでしょう。

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