長府

長府（ちょうふ）：歴史と文化が息づく街

長府は、山口県下関市南部に位置する地域です。古くは長門国の国府が置かれ、政治・文化の中心地として栄えました。現在では閑静な住宅地となっていますが、その歴史的背景から、数多くの史跡や文化財が点在しています。本記事では、長府の魅力を余すところなくご紹介します。

地名の由来

「長府」という地名は、古代にこの地が長門国の国府であったことに由来します。国府とは、律令時代に各国に置かれた役所のことで、「長門国府」の「長」と「府」を組み合わせて「長府」と呼ばれるようになりました。また、古くは「豊浦（とよら）」とも呼ばれており、仲哀天皇が滞在した「豊浦の宮」にその名残が見られます。

歴史

長府は、古代から近世にかけて、数々の歴史的な出来事の舞台となりました。

古代：穴門館の設置、長門国の国府が置かれる、和同開珎の鋳造
中世：土肥山城の築城、大内氏と厚東氏の争い、周防大内氏滅亡
近世：長府藩の成立、下関戦争、功山寺挙兵
近代・現代：地方制度の変遷、長府町大火、下関市への合併

これらの歴史的な出来事が、長府の街並みや文化に深く刻まれています。

主な観光スポット

長府には、歴史を感じさせる数多くの観光スポットがあります。

忌宮神社：仲哀天皇、神功皇后、応神天皇を祀る古社。「数方庭祭」は山口県指定無形民俗文化財。
功山寺：高杉晋作が挙兵した寺として知られています。仏殿は国宝に指定。
長府毛利邸：長府藩主毛利家の邸宅。美しい庭園や歴史的な建造物を見学できます。
長府庭園：家老の邸宅跡を整備した庭園。
下関市立歴史博物館：長府の歴史や文化に関する資料を展示。
乃木神社：日露戦争で活躍した乃木希典を祀る神社。
満珠島・干珠島：瀬戸内海に浮かぶ二つの島。神功皇后の伝説が残る。

長府を彩る文化

長府には、歴史的な背景から育まれた独自の文化が息づいています。

長府藩：江戸時代に長州藩の支藩として成立。城下町の風情が残る。
長府焼：江戸時代に長府藩で焼かれた陶器。松風焼、鷹羽焼、野久留米焼などがある。
伝統行事：忌宮神社の数方庭祭など、地域に根ざした伝統行事が受け継がれています。

長府へのアクセス

鉄道：JR山陽本線長府駅下車
バス：サンデン交通バス「城下町長府」バス停下車
* 自動車：中国自動車道下関ICから約15分

長府は、歴史と文化が調和した魅力的な街です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

もう一度検索