長柄橋

長柄橋：淀川に架かる歴史と景観の架け橋

長柄橋は、大阪市北区本庄東と東[[淀川区]]柴島を結ぶ、淀川に架かる全長656.4m、幅員20mのアーチ[[橋]]です。大阪府道・京都府道14号大阪高槻京都線の一部を担い、その美しい姿は「浪速の名橋50選」にも選ばれています。

概要

種別: 鋼道路橋
形式: バスケットハンドル型ニールセンローゼ
橋長: 655.60m（長柄小橋43.10m）
支間: 最大153.00m
幅員: 20.00m
橋脚: 壁式鉄筋コンクリート
基礎: ケーソン
着工: 1973年（昭和48年）12月
完成: 1983年（昭和58年）3月
工費: 53億円

また、長柄橋北詰交差点の混雑緩和のために建設された長柄バイパスも存在します。

形式: 3径間連続曲線鋼床版箱桁
橋長: 358.93m
幅員: 7.00m
着工: 1964年（昭和39年）9月
完成: 1981年（昭和56年）8月

橋の沿革

長柄橋の歴史は古く、その始まりは明治時代に遡ります。

1909年（明治42年）: 新淀川に最初の橋として、鉄道用トラス桁を転用した初代長柄橋が架設されました。
1936年（昭和11年）: ゲルバー式鋼鈑桁による2代目長柄橋に架け替え。
1945年（昭和20年）: 第二次世界大戦の戦災により損傷。「長柄橋惨事」と呼ばれる悲劇も起こりました。
1964年（昭和39年）: 交通量増加に伴い、長柄バイパスが増設。
1983年（昭和58年）: 淀川改修計画に基づき、現在の長柄橋が完成しました。

古代の長柄橋

長柄橋という名は古代から存在し、嵯峨天皇の時代には既に架橋されていたという記録があります。ただし、その場所は現在の位置とは異なり、淀川区東三国付近と吹田市付近を結んでいたと考えられています。弘仁年間に架けられた橋は、仁寿年間に水害で廃絶。その後、中世には「天下第一の名橋」として貴族たちの歌や文学作品に多く取り上げられました。しかし、実際に再建されることはありませんでした。

貴族たちは、水面にわずかに残った橋桁を眺め、過ぎ去った律令時代の栄華を偲び、歌に託しました。幻の橋となった長柄橋は、能因法師が橋の鉋屑を秘蔵していたという逸話や、後鳥羽上皇が橋柱の残りで文台を作らせたという話など、様々な物語を生み出しました。

人柱伝説

長柄橋には、人柱に関する伝説も残されています。神道集には、橋を架ける際に人柱を立てたという説話が記されており、この伝説は大阪の人々の間で広く語り継がれてきました。現在、淀川区東三国の大願寺には、古代長柄橋の人柱碑が残っています。また、「長柄の人柱」という言葉は、「雉も鳴かずば撃たれまい」ということわざの由来になったとも言われています。

祈念像

橋の南詰には、「明倫観世音菩薩」の像が建立されています。これは、昭和20年の空襲犠牲者と淀川水難犠牲者の冥福を祈るために建てられたものです。

長柄橋は、単なる交通手段としてだけでなく、その長い歴史と数々の物語を通じて、大阪の文化と人々の記憶に深く刻まれた存在と言えるでしょう。

参考文献

亀井一男 “舞子跨線橋とその仲間について”、『鉄道史資料保存会会報 鉄道史料 第44号』鉄道史資料保存会、1986年、pp.325-330
成瀬輝男 編『鉄の橋百選 近代日本のランドマーク』東京堂出版、1994年 ISBN 4-490-20250-4
『大阪の橋 - 大阪市における橋梁技術のあゆみ』大阪市土木技術協会、1997年

外部リンク

大阪市：長柄橋
大阪市：長柄バイパス
歩いて大阪八百八橋＞長柄橋
* CVV(Civil Veterans & Volunteers)HP：長柄[[橋]](http://cvv.jp/bridge/w049.html)

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