長良川鉄道

長良川鉄道株式会社

長良川鉄道株式会社（ながらがわてつどう）は、岐阜県関市に本社を置き、独自の運行形態で地域の交通手段として重要な役割を果たす第三セクターの鉄道会社です。主に越美南線を運営しており、複数の地域からの出資を受けてその事業を展開しています。元々は国鉄特定地方交通線として開通しましたが、1986年に株式会社化してからも地域の交通機関としての役割を全うしています。

歴史

長良川鉄道の歴史は1986年8月28日の設立から始まり、同年12月には越美南線が開通しました。国鉄との連携運輸が始まり、利用者にとって便利な鉄道としての役割を担いました。2002年からは連絡運輸が縮小され、観光列車「ながら」の運行が開始されたのは2016年のことです。この観光列車は、地域の魅力を引き出すための重要な施策として、多くの訪問者を連れてきました。

その後も新たな取り組みが多数行われ、2018年にはヤマト運輸による貨客混載列車が導入されるなど、地域産業との連携が進みました。また、2019年からはQRコード決済「PayPay」の導入や、2022年にはVisaのタッチ決済も取り入れるなど、現代に即した便宜性の向上に努めています。

路線情報

越美南線は美濃太田駅から北濃駅までの約72.1kmを結んでいます。この路線は豊かな自然が広がる中を走り、多くの観光客に利用されています。景観を楽しむための旅客運賃のほか、利用者が自由に乗り降りできるフリーきっぷや特典のあるクーポンなども提供されており、リーズナブルに移動することが可能です。

乗車券とクーポン

特に人気があるのが1日フリーきっぷで、利用者は越美南線の全線を1日中乗り放題です。大人2700円、小人1350円で、美濃太田駅や郡上八幡駅などで購入できます。無人駅でも、車内の乗務員に申し出れば、必要な手続きを行ってもらえます。

また、特定の観光地の入場券がセットになった「一日郡上八幡クーポン」や、温泉とのセット販売なども行っており、観光施設との連携が順調に進んでいます。

車両の特徴

長良川鉄道が保有する車両は、すべて気動車です。ナガラ300形やナガラ500形など、多様なデザインと機能を持つ車両が運行しています。また、最近では2022年から新型車両ナガラ600形の運行が始まり、国鉄急行色をイメージした外観が特徴的です。これにより、鉄道ファンにとっても魅力的な選択肢が増えています。

地域貢献と今後の展望

長良川鉄道は地域の交通手段としての役割を超え、観光促進や地域経済の活性化に貢献しています。また、地元の農産物を運ぶ便も増えるなど、地域密着型の運営を展開しています。今後も観光列車の運行や新しい交通手段の導入を計画しており、地域のさらなる魅力向上を目指して取り組むでしょう。また、鉄道愛好者や観光客にとって有意義な鉄道事業を推進し、地域活性化の一翼を担い続けることが期待されています。

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