北濃駅

北濃駅：歴史と転車台が息づく終着駅

北濃駅は、岐阜県郡上市白鳥町歩岐島にある長良川鉄道越美南線の終着駅です。駅番号は37。美濃太田駅から延びる越美南線は、かつて福井県の越美北線と接続する計画がありましたが、北濃駅の北側には車止めが設置され、線路はここで途切れています。

歴史

北濃駅は、1934年（昭和9年）に鉄道省越美南線の終着駅として開業しました。当時は旅客と貨物の取り扱いが行われ、省営自動車「白城線」の停車場も設けられました。1957年からは御母衣ダム建設に伴う資材輸送が始まり、1961年には大白川ダムと御母衣第二発電所の建設資材輸送も行われ、貨物輸送で賑わいました。1974年に貨物取り扱いが廃止され、1986年には越美南線が長良川鉄道に転換され、同社の駅となりました。

駅構造

駅は島式ホーム1面2線を有する地上駅です。現在は駅舎側の線路のみが使われています。木造駅舎が残り、無人駅ですが、2019年9月には駅舎内に「終着北濃駅」という飲食店が開店しました。
かつては、蒸気機関車の給水設備や貨物列車用の引込線があり、駅員も配置されていましたが、現在はその面影はありません。夜間滞泊は行われず、最終列車は美濃白鳥駅まで回送されます。

転車台

北濃駅構内には、蒸気機関車の向きを変えるための転車台が残っています。この転車台は、1902年にアメリカン・ブリッジ社で製造され、当初は岐阜駅に設置されていましたが、1934年に北濃駅に移設されました。直径15.4mの円形で、手動で回転させるタイプです。大井川鐵道千頭駅の転車台に次いで、国内で2番目に古い転車台です。2002年に地元住民が保存会を結成し、2004年から展示と保存活動が行われ、2005年には国の登録有形文化財に登録されました。現在も陸運局の書類上は現役設備として扱われています。

駅スタンプ

長良川鉄道では、国鉄時代の「わたしの旅キャンペーン」のスタンプを復刻したスタンプラリーと1日乗車券を販売しています。北濃駅のスタンプも用意されていますが、無人駅のため、美濃白鳥駅で押印する必要があります。

利用状況

1936年から1954年の利用状況に関するデータはなく、1964年以降のデータはネット上では公開されていません。

駅周辺

北濃駅周辺は、かつて郡上郡北濃村の中心地でした。駅名は、かつての村名と美濃国の北端に由来しています。駅周辺には長良川や国道156号線、北濃郵便局などがあります。

バス路線

郡上市自主運行バスが、美濃白鳥駅、ひるがの高原、石徹白方面へ運行しています。また、福井県との県境に近く、路線バスを乗り継いでJR西日本越美北線の九頭竜湖駅まで行くこともできます。ただし、途中には8km程度の徒歩区間があります。2021年には、福井市や大野市などで構成された団体が、北濃駅から九頭竜湖駅までをバスで巡る企画ツアーを実施しました。

その他

北濃駅は、テレビ東京の旅番組「田舎に泊まろう!」のロケ地にもなりました。

隣の駅

長良川鉄道
■越美南線
観光列車「ながら」発着駅
白山長滝駅(36) - 北濃駅(37)


北濃駅は、歴史的な転車台が残る貴重な駅であり、鉄道ファンや観光客にとって魅力的な場所です。終着駅としての旅情を感じながら、周辺の自然や文化に触れてみてはいかがでしょうか。

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