防府市立防府図書館

防府市立防府図書館

防府市立防府図書館は、山口県防府市栄町に位置する公共[[図書館]]です。ルルサス防府の3階にあり、地域住民の知的欲求を満たす拠点となっています。その歴史は古く、1941年に開館した防府市立三哲文庫を前身としています。三哲文庫は、政治家であり、貴族院議員や台湾総督を歴任した上山満之進が設立に深く関わっていました。そのため、現在でも「三哲文庫」という通称で親しまれています。条例上の組織名は防府市図書館です。

歴史

三哲文庫/防府図書館（1941年～1981年）

上山満之進は、自身の故郷である防府に図書館を建設することを計画し、1936年には早稲田大学教授の吉田享二に設計を依頼しました。建設は1940年2月から12月にかけて行われましたが、1938年に上山満之進が亡くなったため、息子の勝と甥の小野幸吉がその遺志を引き継ぎました。1941年3月30日に開館式が行われ、4月1日に防府市立三哲文庫として開館しました。開館時の蔵書数は約3500冊で、本館と書庫の2棟を有していました。小野幸吉が名誉職の文庫長に就任し、翌年には上山満之進翁記念碑が敷地内に建立されました。

太平洋戦争終戦後の1946年、防府市立三哲文庫は防府市立防府図書館に改称されました。1950年代には『防府の今昔』や『防府市立防府図書館要覧』が刊行され、図書館の活動が広く知られるようになりました。1968年には、日本図書館協会が主催する「公共[[図書館]]振興プロジェクト」共同協議に全国の代表的な図書館の一つとして参加しました。

桑山2丁目時代（1981年～2006年）

1981年、老朽化のため、桑山2丁目に新館が建設されました。新館は延床面積2,992平方メートルで、蔵書数は約9万8千冊に増加しました。開館時間の拡大やコンピュータシステムの導入など、サービスの拡充も図られました。1991年には開館50周年を迎え、キャッチフレーズの制定や図書館まつりの開催など、記念事業が盛大に行われました。2004年には防府駅北再開発ビルへの移転が決定し、2006年に桑山の図書館は閉館しました。

ルルサス防府時代（2006年～）

2006年11月、防府駅前の再開発ビルであるルルサス防府に移転し、新たなスタートを切りました。移転後の図書館は延床面積3,527平方メートル、蔵書数は約32万冊と大幅に拡充されました。2008年からは窓口業務を図書館流通センターに委託し、2011年には移動図書館車「わっしょい文庫」の運行を開始するなど、地域へのサービスを強化しています。2013年には「子供の読書活動優秀実践図書館」として文部科学大臣表彰を受けました。2016年からは指定管理者制度を導入し、公益財団法人防府市文化振興財団が運営を行っています。

2019年には三哲文庫跡地が三哲文庫記念公園として整備され、2021年には開館80周年を迎えました。

油彩画「東台湾臨海道路」

上山満之進が台湾総督時代に台湾人画家の陳澄波に依頼した風景画「東台湾臨海道路」は、上山家から三哲文庫に寄贈され、長らく図書館に展示されていました。しかし、2006年の移転時に倉庫にしまわれ、作者不明となっていました。その後、児玉識によって再発見され、陳澄波の作品であることが判明しました。修復を経て防府市に返還され、現在は山口県立美術館に保管されています。防府図書館にはレプリカが常設展示されています。

利用案内

開館時間
平日: 9時30分～19時
土日祝日: 9時30分～18時
休館日
火曜日
年末年始（12月29日～1月3日）
蔵書点検期間
交通アクセス
* JR山陽本線防府駅から徒歩5分

防府市立防府図書館は、市民の身近な情報拠点として、これからも発展を続けていくことでしょう。

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