陽林寺

陽林寺

陽林寺は、福島県福島市小田の山中にひっそりと佇む曹洞宗の寺院です。室町時代後期、永正13年（1513年）に伊達稙宗によって開基され、盛南禅師が開山となりました。

歴史

陽林寺は、福島市南部の山深い場所に位置し、かつて大森城があった場所から南へ約5kmの距離にあります。開基以来、伊達稙宗とその三男で大森城主であった伊達実元の手厚い保護を受け、最盛期には47もの末寺を抱えるほどに繁栄しました。

寺に残された伊達家文書からは、当時の様子を垣間見ることができます。伊達氏の家臣であった桜田宗敏や牧野常仲といった人々が、周辺の所領を陽林寺に寄進したことが記されています。また、天文5年（1536年）には、稙宗自身が陽林寺の門前に軒を連ねる17軒の家々に対し、棟役諸役（現代の家屋税に相当）を免除する措置を講じています。これらの史実から、伊達氏が陽林寺をいかに重要視していたかがうかがえます。

江戸時代に入ると、陽林寺はかつての隆盛を失いましたが、その後も歴代の領主や代官からの保護を受け、命脈を保ち続けました。

境内

陽林寺の境内には、歴史を感じさせる様々な見どころがあります。

山門: 二階建ての堂々とした山門が、訪れる人々を迎えます。
伊達稙宗の墓: 開山である伊達稙宗の墓（分骨）が、静かに佇んでいます。
伊達実元の墓: 稙宗の三男であり、陽林寺を庇護した伊達実元の墓もあります。
座禅石: 盛南禅師が座禅を組んだと伝えられる座禅石が残されています。
しだれ桜: 樹齢450年を超える見事なしだれ桜は、春になると美しい花を咲かせ、訪れる人々を魅了します。

文化財

陽林寺は、貴重な文化財を所蔵しています。

伊達家文書: 福島県指定重要文化財に指定されている伊達家文書は、伊達氏と陽林寺の関係を示す貴重な歴史資料です。

アクセス

JR東北本線南福島駅より車で約15分

関連項目

八丁目城
伊達成実
下鳥渡供養石塔
日本の寺院一覧

外部リンク

陽林寺ホームページ

陽林寺は、歴史と自然が調和した、心落ち着く空間です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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