雲仙岳災害記念館

雲仙岳災害記念館（がまだすドーム）

長崎県島原市平成町に建つ雲仙岳災害記念館は、1990年（平成2年）に始まり、1996年（平成8年）に終息した雲仙岳噴火災害の被害の実態やそこから得られた教訓を未来世代に語り継ぐことを目的に設立された記念館です。

設立背景と歴史

雲仙岳噴火災害の発生後、被災地の復興を目指す「島原地域再生行動計画」の中で、この記念館の設立が構想されました。この構想に基づき、施設の管理者となる長崎県によって建設が進められ、2002年（平成14年）7月1日に開館しました。地元島原地方の方言で「がんばる」を意味する「がまだす」にちなみ、「がまだすドーム」という愛称で親しまれています。開館当初は年間およそ38万人もの人々が訪れる賑わいを見せましたが、2014年度（平成26年度）以降は入館者数が10万人を下回る状況となりました。

こうした入館者数の減少を受け、運営を担う公益財団法人雲仙岳災害記念財団は関係団体との協議を経てリニューアルを計画・実行しました。2018年（平成30年）4月1日にリニューアルオープンが実現し、平成噴火を再現するジオラマプロジェクションマッピングや雲仙岳スカイウォークといった新たな展示が導入されました。この改修により、入館者数は一時的に20万人台まで回復しましたが、その後の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2022年度は約8万7千人となるなど再び減少傾向が見られました。

2024年度（令和6年度）からは、シダックスの子会社であるシダックス大新東ヒューマンサービスが新たな指定管理者として運営を担うことが決定しています。同社はさらなる魅力向上を目指し、大幅な改修計画に着手しており、特にプロジェクションマッピングルーム（PMルーム）の新設などを目的として、2025年（令和7年）1月6日から2月28日までの期間、休館が予定されています。そして、2025年（令和7年）3月1日のリニューアルオープンに合わせて、火山写真家のモーリス・クラフト、カティア・クラフト夫妻に焦点を当てた常設展示が新たに開始される予定です。

施設概要と展示内容

建物は2階建てで構成されており、利用目的に応じて無料スペースと有料スペースに分かれています。

無料スペース（1階の一部）：メディアライブラリーとして一般に開放されており、以下のコーナーが設けられています。
災害の記憶
雲仙岳のいま
ビデオライブラリー
資料閲覧
デジタル雲仙岳災害記念館
フィールドミュージアム案内
島原半島の観光案内
島原半島の歴史
読書コーナー

有料スペース（1階の一部および2階）：主に展示コーナーが設けられており、8つのテーマに分かれて雲仙岳噴火災害や火山の様々な側面を紹介しています。
姿をかえた雲仙岳
火山としての雲仙岳
世界の中の雲仙岳
平成大噴火シアター
噴火と予知
予知から防災へ
雲仙噴火の歴史
火山と共生

館内には、お土産や関連グッズを扱う売店、軽食や休憩に利用できるカフェ・レストランも併設されています。

利用案内

開館時間：9:00から18:00まで（最終入館は17:00）
休館日：原則として年中無休ですが、施設の保守点検等のために臨時に休館することがあります。
観覧料：無料スペースと有料スペースで異なります。
駐車場：無料で利用可能です（一般車両約400台、バス約20台収容可能）。
交通アクセス：
島鉄バス「アリーナ入口」バス停が最寄りです。
最寄りの主要道路は国道57号（島原深江道路）および国道251号です。
周辺施設：
島原復興アリーナ・島原勤労者総合福祉センター
島原市営平成町人工芝グラウンド
平成町多目的広場
* 島原警察署安徳警察官駐在所

雲仙岳災害記念館は、過去の災害から学び、未来への防災意識を高めるための重要な拠点として、また雲仙普賢岳や島原半島の自然と歴史を知る場として、多くの人々に利用されています。

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