霊言

霊言について

霊言（れいげん）は、霊媒を介して霊とコミュニケーションをし、その内容を語ると言われる言葉です。この言葉には特定の定義はありませんが、多くの信者にとって霊界からのメッセージを含意します。このような現象は霊的な啓示を含む場合もありますが、その表現や解釈は様々な宗教団体や宗教者によって異なるため、一概に定義することは難しいです。

歴史的背景

霊言という用語は、1920年代に心霊主義運動家である浅野和三郎の著作に初めて登場しました。彼は霊言を新たな名称として命名し、霊媒が異なる人格に変わり、その声が他の人格に占有される現象を指しています。彼はこの現象の背後には守護霊が関与していると考え、霊言の原理を守護霊に求めました。また、「霊言」という言葉は、英語の「trance medium」や「speaker」から翻訳されたとされています。

浅野和三郎に学び、心霊研究を行った桑原啓善は、アラン・カルデックやシルバー・バーチなどの著作に「霊言」という訳語を当てはめたことで、国際的な文脈でも使われるようになりました。

霊言の用例

浅野和三郎

日本の心霊主義運動家であった浅野和三郎は、心霊科学研究会を設立しました。彼は日本における霊媒の研究を進め、多くの霊言を発表しました。彼の著作には彼の妻多慶子によって口述された『小桜姫物語』があり、これもまた霊言の一形態として彼によって収録されています。

アラン・カルデック

フランスの哲学者アラン・カルデックは、霊媒の発信を体系的に検証し、スピリティズムという新たな潮流を創り出しました。彼の著作も日本に翻訳され、しばしば「霊言」という用語が使われてきました。

幸福の科学

1986年に設立された新宗教である幸福の科学では、創始者の大川隆法が霊を降ろして語ることが「霊言」と呼ばれ、信者に対する布教活動において重要な要素となっています。

シルバー・バーチ

イギリスの霊媒であるモーリス・バーバネルは、シルバー・バーチという霊との交信記録を多く残しました。その著作の一部は、桑原啓善によって「シルバー・バーチ霊言集」というタイトルで出版されています。

真如苑

1936年に設立された真如苑では、霊能者からの助言が「霊言」として扱われており、信徒も自ら研鑽を積むことで霊言を発する側に成長することが期待されています。

ホワイト・イーグル

イギリスの霊媒グレースが、ホワイト・イーグルという霊からの啓示を受けたとされています。彼女はこの啓示に関する出版活動を行いました。

結論

霊言は、その形態や解釈において多様な側面を持つ言葉です。心霊主義に関心を持つ人々にとって、霊言は霊的交流の重要な手段であり、様々な宗教運動や研究において中心的なテーマとなっています。各団体や研究者によって異なる文脈で使われるため、理解を深めるには多角的な視点が必要です。

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