青山博一

青山博一：ロードレース界の多才なレジェンド

青山博一選手は、1981年10月25日、千葉県市原市生まれのレーシングライダーです。5歳からポケバイを始め、14歳でミニバイクレースに参戦するなど、幼少期から類まれな才能を示していました。15歳で桶川塾に入学し、本格的にレーサーとしてのキャリアを歩み始めます。

1998年にロードレースデビューを果たし、その後は全日本ロードレース選手権で頭角を現します。GP125クラスを経て、2000年からGP250クラスに参戦。2000年には年間ランキング2位、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得、2002年には2勝を挙げ再びランキング2位に入るなど、着実に実力を高めていきます。そして2003年、念願の全日本ロードレース選手権GP250クラスチャンピオンに輝きました。

2004年には、ホンダ・レーシングスカラシップ第1期生に選ばれ、ロードレース世界選手権250ccクラスに参戦。名将アルベルト・プーチの指導の下、経験を積み重ねます。2005年には、日本グランプリで初優勝。プーチ氏宅近くのマンションを拠点にトレーニングに励むなど、並々ならぬ努力を続けました。

2006年から2008年まではKTMワークスチームに所属。しかし、KTMの250ccクラスからの撤退により、2009年にはチーム・スコットに移籍。マシン開発が進んでいない状況の中、周囲の期待は低かったものの、青山選手は驚異的な活躍を見せます。

2009年シーズンは、開幕戦から好成績を収め、ポイントリーダーの座をキープ。激しいトップ争いを繰り広げ、最終的に年間チャンピオンを獲得しました。原田哲也選手、加藤大治郎選手に続く、日本人3人目のロードレース世界選手権250ccクラス年間王者となりました。この年は、250ccクラスが廃止される年でもありました。

2010年には、最高峰のMotoGPクラスにステップアップを果たします。しかし、イギリスGPでの転倒により脊椎圧迫骨折を負い、シーズン途中で戦線離脱を余儀なくされました。復帰後は完走を果たし、年間ランキング15位でシーズンを終えました。

その後は、グレシーニ・レーシングに移籍したり、スーパーバイク世界選手権に参戦したりと、MotoGPクラスとスーパーバイククラスを行き来するなど、常に挑戦を続けました。2013年には再びMotoGPクラスに復帰し、2014年にはオープンクラスの有力チーム、チーム・アスパーに移籍しました。2015年からはHRCのテストライダーとして活躍しています。

2018年からは、ホンダ・チーム・アジアの監督に就任。Moto2、Moto3クラスの若手ライダー育成に尽力しています。2019年には、チームからMoto3クラスに参戦していた鳥羽海渡選手が開幕戦で優勝。青山監督は、チーム監督として表彰台に上るという喜びを味わいました。

国内選手権では、ミニバイクレース関東ミニ選手権で2度のチャンピオンを獲得。全日本ロードレース選手権GP250クラスでも優勝を経験しています。鈴鹿8時間耐久ロードレースにも参戦した経験があります。

MotoGPクラスにおいては、セパンインターナショナルサーキットを得意としており、250cc時代には6年のうちに4度のポールポジションを獲得し、ポール・トゥ・ウィンを2度達成。2009年にはコースレコード更新も成し遂げています。

青山選手は、理論的なライディングスタイルと緻密なマシンセッティングで知られています。メカニックと綿密なコミュニケーションを取り、常に改善を追求する姿勢は、他のライダーからの尊敬を集めています。

数々のタイトル獲得や経験を通して培った技術と知識は、現在のテストライダーや監督としての活動に大きく活かされています。今後も、ロードレース界の第一線で活躍し続け、次世代のライダー育成にも貢献していくことでしょう。

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