青葉型重巡洋艦

青葉型重巡洋艦

青葉型重巡洋艦（あおばがたじゅうじゅんようかん）は、大日本帝国海軍に属する重要な艦艇であり、同型艦は「青葉」と「衣笠」の2隻です。これらの重巡洋艦は、古鷹型重巡洋艦の設計をもとに、さまざまな改良が施されています。

建造の背景

青葉型は、先代の古鷹型が持つ性能の欠点を克服し、より強力な火力を実現するために設計されました。古鷹型は20cm単装砲6基を備え、他国に対しての優位性を誇っていましたが、装填速度の遅さが課題となっていました。また、ワシントン海軍軍縮条約では補助艦艇の排水量や主砲の口径に制約があり、その中で革新が求められました。

古鷹型との相違点

青葉型は古鷹型と基本設計を共有しつつも、いくつかの重要な改良が施されています。最も顕著なのは、20cm単装砲を機力装填の20cm連装砲3基に変更した点です。この採用により、装填速度が大幅に向上し、戦闘における攻撃力も強化されました。ただし、連装砲の特性によって主砲の散布界が広がる問題が生じたため、発射タイミングを調整するための機構が採用されました。この技術は、日本海軍の後の艦船にも影響を与えるものとなりました。また、青葉型は建造当初から水上機を運用するためのカタパルトを装備しており、索敵能力も高められています。

変遷と近代化改装

青葉型の2隻は1937年から1940年にかけて佐世保海軍工廠で近代化改装が行われました。この改装は古鷹型に対して小規模でしたが、さまざまな改修が加えられています。

主砲

主砲は近代化改装により一号20cm砲から二号20cm砲へと変更されました。この変化により、九一式徹甲弾の使用が可能となり、火力の向上が図られていきました。

魚雷

竣工時の青葉型艦は固定式の水上発射管を12門装備していましたが、近代化改装後は上甲板に旋回式の発射管が追加され、魚雷も九三式酸素魚雷16本に変更されました。

高角砲

高角砲に関しては、竣工後に波除け盾が追加されたのみで、近代化改装時に大きな変更は行われず、最後まで12cm単装高角砲が搭載されたままでした。

機銃

近代化改装により、機銃は格段に増強され、さまざまな配置で25mm連装機銃や13mm連装機銃が新たに装備されました。これにより、対空防御能力が向上しました。

機関

近代化改装では、缶の変更が行われましたが、主機の形式は維持されました。青葉は三菱パーソンズ式タービンを搭載していましたが、衣笠はブラウン・カーチス式タービンがそのまま使用されました。

射出機と電探

青葉型は水上機用の射出機も重要な改良の一環として装備され、電子機器としても各種電探が搭載されました。特に、青葉は戦後の写真からその装備状況が確認できています。

同型艦

• - 青葉
• - 衣笠

参考文献

• - 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第6巻 重巡II』（光人社、1989年）
• - 「歴史群像」編集部『歴史群像太平洋戦史シリーズVol.44 重巡古鷹・青葉型』（学習研究社、2005年）

青葉型重巡洋艦は、従来の艦に比べてより優れた戦闘能力を持ち、日本海軍の戦略の中で重要な役割を果たしました。

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