静清バイパス

静清バイパスの詳細解説

静清バイパスは、静岡市清水区興津東町から駿河区丸子を結ぶ、全長24.2kmの国道1号バイパスです。このバイパスは、静岡市街を通過する国道1号の交通を円滑にするために建設されました。地域高規格道路「静岡東西道路」の一部としても機能しており、「せいせいバイパス」とも呼ばれますが、正式な読み方は「せいしんバイパス」です。

概要

起点: 静岡県静岡市清水区興津東町（興津中町交差点・興津IC）
終点: 静岡県静岡市駿河区丸子（丸子IC）
全長: 24.2km
車線数: 4車線（一部区間6車線）

バイパスの主な目的は、静岡市街地の国道1号の交通を迂回させ、円滑な交通を確保することです。1968年に事業化され、段階的に開通が進められました。しかし、八坂ICから唐瀬ICまでの区間では、用地買収が難航し、1997年に大半の区間が暫定2[[車線]]で全線開通となりました。この開通は、静岡県内の国道1号バイパスとしては比較的遅いものでした。


大部分は高架または立体交差ですが、清水地区の一部（清水区横砂本町 - 同区八坂町）では、平面交差が残っており、交通量の多さから日中は渋滞が発生していました。そのため、現在、清水地区の高架化工事が進められています。

2015年3月1日には、鳥坂IC - 千代田上土IC間および羽鳥IC - 牧ヶ谷IC間が4車線化され、2018年12月22日には牧ヶ谷IC - 丸子IC間も4車線化され、全線4車線化が完了しました。

清水地区の平面交差部の立体化（清水立体）事業も進められており、2026年春頃の開通を目指していましたが、2023年7月6日に発生した工事中の橋桁落下事故により、開通時期は未定となっています。

高架部分の一部区間（八坂西IC - 唐瀬IC）は自動車専用道路であり、原付や125cc以下の二輪車は通行できません。2012年2月14日には、賤機山トンネルの4車線化に伴い、トンネル前後の歩道に自転車専用通行帯が設置されました。これは日本初の本格導入で、上下線ともに一方通行です。

静清バイパスが開通した後も、静岡市街地を通過する現道は、国道1号として引き続き利用されています。

歴史

1963年：計画にあたり測量などを開始
1968年：事業化。八坂 - 唐瀬地区の用地買収が難航
1979年：興津高架橋が4車線で完成。興津中町交差点 - 清水区八坂間（5.9km）が4車線で開通
1983年3月：平和IC - 羽鳥IC間（2.0km）が暫定2[[車線]]で開通
1986年：新興津川橋が4車線で完成、興津中町交差点立体化で興津IC新設。興津東町 - 興津IC間（0.7km）が4車線で開通し、富士由比バイパスに接続
1988年3月：丸子藁科トンネル開通。羽鳥IC - 丸子IC間（3.5km）が暫定2[[車線]]で開通
1996年：八坂IC - 長崎IC間（2.7km）まで暫定2[[車線]]で開通
1997年3月26日：長崎IC - 羽鳥IC間（10.0km）が暫定2[[車線]]で開通し、静清バイパスが全線開通
2006年3月15日：千代田上土IC - 唐瀬IC間（0.7km）が4車線化
2007年度：清水立体都市計画決定
2008年3月17日：八坂IC - 鳥坂IC間（3.5km）が4車線化
2008年3月24日：能島IC新設、昭府高架橋完成。昭府IC - 平和ICの平面交差部を暫定2[[車線]]で立体化
2009年度：清水立体の用地着手
2012年2月14日：唐瀬IC - 羽鳥IC間（6.6km）が4車線化
2013年1月20日：藁科川橋の改築のため、車線切り替え
2014年3月14日：賎機山トンネル上り線の天井板撤去完了
2015年1月7日：丸子藁科トンネルの照明LED化
2015年1月24日：牧ケ谷ICの上り線オンランプ完成。本線上の信号撤去。羽鳥ICフルインターチェンジ化
2015年3月1日：鳥坂IC - 千代田上土IC間（2.8km）が4車線化。牧ヶ谷IC - 羽鳥IC間（0.5km）上り線のみ片側2車線化
2016年度：清水立体の工事着手
2018年12月22日：丸子IC - 牧ヶ谷IC間（3.0km）が4車線化
2023年7月6日：横砂北交差点から清水IC西交差点の間で行われていた立体化工事現場で橋桁が落下。2人が死亡、8人が負傷

接続するバイパス

（三島・沼津方面）富士由比バイパス - 静清バイパス - 岡部バイパス（島田・浜松方面）

インターチェンジなど

静清バイパスには多くのインターチェンジがあります。

八坂西IC - 唐瀬IC間は自動車専用道路です。

牧ヶ谷ICはフルインターチェンジですが、藁科川と丸子藁科トンネルに挟まれた立地から、沼津・富士方面への合流は本線を平面交差する構造でした。しかし、2015年1月24日のランプウェイ改築により、信号制御による合流は廃止されました。

昭府立体

昭府IC - 平和IC間の高架化区間です。当初は平面交差でしたが、交通量増加に伴い、立体化されました。

主なトンネルと橋

新興津川橋（興津東IC - 興津IC）
興津高架橋（興津IC - 横砂交差点）
賤機山トンネル（唐瀬IC - 昭府IC）：総延長は下り線が814m、上り線が530m。新オーストリアトンネル工法が採用されています。2012年に4車線化され、自転車専用通行帯が設置されました。
安倍川大橋（平和IC - 千代IC）：昭府立体化に伴い拡幅されました。
藁科川橋（羽鳥IC - 牧ヶ谷IC）：フルインターチェンジ化のため、架け替えが行われました。
丸子藁科トンネル（牧ヶ谷IC - 丸子IC）：総延長2,027m（下り線）、2,041m（上り線）。新オーストリアトンネル工法が採用されています。2018年に4車線化されました。

交通量

2005年度の道路交通センサスによると、平日24時間交通量（台）は以下の通りです。

静岡市清水区興津東町：66,672
静岡市清水区袖師：60,484
静岡市清水区八坂：47,749
静岡市清水区長崎：36,008
静岡市清水区鳥坂：36,163
静岡市葵区千代田上土：38,512
静岡市葵区千代：36,755
静岡市葵区牧ケ谷：31,610

静清バイパスは、静岡市内の交通を円滑にする上で重要な役割を果たしています。今後の清水立体事業の進展にも注目が集まります。

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