飯浦駅

飯浦駅（いいのうらえき）

飯浦駅は、島根県益田市飯浦町に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）の山陰本線の駅です。この駅は島根県の最西端に位置しており、次の安来駅との距離は約196kmにも及びます。

歴史

飯浦駅は1927年6月19日に開設され、最初は鉄道省が運営する終着駅として誕生しました。開設当初は客貨混合での取り扱いがあったものの、1928年には須佐駅までの延伸が完了し、途中駅となりました。その後の1962年には貨物の取り扱いが廃止され、1968年には業務が日本交通観光社へと委託されました。1979年には荷物の取り扱いも廃止され、駅は無人化されました。

1987年4月1日、国鉄の分割民営化が行われたことで、現在のJR西日本がこの駅を運営することとなりました。2013年7月には豪雨による災害で線路が被災し、当駅を含む区間が運休する事態が発生しましたが、11月9日には運行が再開されました。

駅の構造

飯浦駅は、長門市方面に向かって右側に1面1線の単式ホームを持つ地上駅です。この駅は棒線駅であり、長門市方面と益田方面行きの両方の列車が同じホームから発着します。駅のホームには待合室が設置されており、旅客が利用できるスペースとなっています。しかし、古くから存在した木造の駅舎は解体され、現在は駅名看板や倉庫がその跡地に残るのみとなっています。現在は長門鉄道部の管理の下で無人駅として運営されており、自動券売機などの設備は存在しません。

利用状況

2022年度の例では、飯浦駅の1日平均乗車人員はわずか4人でした。過去のデータを比較すると、2004年度は17人、1994年度は48人、1984年度は89人と、利用者数は年々減少しています。近年の駅の利用状況は厳しいものとなっていますが、地域のコミュニティとしての役割を果たし続けています。

駅周辺

この駅は、飯浦集落という漁村の内陸に位置しており、やや高台に存在しています。そのため、周囲には自然が豊かで、地元の漁業や農業が盛んな地域です。

映画のロケ地

飯浦駅は映画『旅の贈りもの 0:00発』のロケ地としても知られています。劇中では「風町駅」として描かれ、隣接する駅名は「したいわ」と設定されていました。映画の影響で、駅や地域の知名度が向上するきっかけとなったことがあります。

隣の駅

飯浦駅の隣には、西日本旅客鉄道（JR西日本）の山陰本線の戸田小浜駅と江崎駅があります。この路線は観光地へ向かう重要な交通手段としても機能しています。

飯浦駅は独自の歴史と地域性を持つ無人駅として、訪れる人々に静かな時間を提供しています。

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