香川県立体育館

香川県立体育館：新たなスポーツ・文化拠点の誕生

香川県高松市サンポートに建設中の香川県立体育館は、2024年度の開業を予定している、中四国最大規模を誇る屋内競技場です。老朽化した旧県立体育館に代わる施設として、最新の技術とデザインを取り入れ、スポーツイベントからコンサート、展示会まで幅広い用途に対応できる多機能な空間を目指しています。

近代的なデザインと機能性

本体育館は、メインアリーナ、サブアリーナ、武道施設兼多目的ルームの3つの主要施設で構成されています。これら3つの施設は、それぞれ高さを抑えた1枚の大屋根で美しく繋がっており、一体感のあるデザインが特徴です。広々とした空間と最新の設備を備え、快適で安全な利用環境を提供します。メインアリーナは、中四国地域で最大規模を誇り、大規模なイベントにも対応可能です。

建設までの道のり

2016年、老朽化が進む旧県立体育館の建て替えが決定。サンポート高松の遊休地を選定し、既存施設の解体、道路撤去などの大規模な土地整備を経て、建設プロジェクトが本格的にスタートしました。設計は国際的に高い評価を受ける建築設計事務所SANAAが担当。建設工事は、大林組四国支店、合田工務店、菅組の3社による特定建設工事共同企業体が担当し、2022年には設備工事が完了しました。

旧香川県立体育館：歴史と保存運動

旧県立体育館は、1964年に建築家・丹下健三氏によって設計された、歴史的な建造物でした。「船の体育館」として親しまれ、その斬新なデザインは多くの県民に愛されてきました。しかし、老朽化と耐震性の問題により、2014年に閉鎖。その後、保存を求める声が県内外から上がり、保存運動も行われましたが、最終的には解体されることになりました。旧体育館は、丹下健三氏の代表作の一つである国立代々木競技場の原型となった建物でもあり、その歴史的価値は高く評価されていました。閉鎖後も、保存を望む市民団体による活動が続けられ、危機遺産リストにも登録されました。しかし、建物の老朽化と防災上の問題から、解体という結論に至っています。

アクセスと周辺環境

香川県立体育館は、サンポート高松という交通の便が良い立地に位置しています。ことでん志度線松島二丁目駅から徒歩15分、ことでんバス県立体育館前停留所から徒歩2分の距離です。周辺には香川県立武道館、高松競輪場、高松市総合体育館など、スポーツ関連施設が充実しており、スポーツ愛好家にとって魅力的なエリアとなっています。

まとめ

新香川県立体育館は、最新の技術とデザインを融合させた、中四国最大級の屋内競技場として、スポーツイベントの開催や地域活性化に大きく貢献することが期待されています。同時に、旧県立体育館の歴史と保存運動は、地域の記憶と未来への課題を私たちに示唆する貴重な教訓となっています。新たな体育館が、未来へと繋がる香川県のシンボルとして、多くの人の思い出を紡いでいくことでしょう。

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