馬場裕一

馬場 裕一（ばば ひろかず）

日本の麻雀界において、ライター、編集者、解説者、そしてプロ雀士として多岐にわたる活動を展開した人物。麻雀企画集団バビロン総帥、GPC副代表としても知られる。東京都出身。立教大学文学部を中退。

経歴

中学時代に友人の母親から麻雀の手ほどきを受け、ゲームそのもの以上に、活字主体の麻雀雑誌『近代麻雀』（竹書房）に深く傾倒した。立教高校に進学してからもその熱は冷めやらず、発売日を待ちきれず、学業を顧みずに学生服のまま竹書房を訪ねたという逸話を持つ。この訪問がきっかけとなり、当時の社長の説諭を受けつつも、同誌の校正アルバイトとして麻雀メディアの世界に足を踏み入れることとなる。「誌上対局」企画が始まると採譜も担当するようになり、小島武夫ら著名なプロ雀士たちを間近に触れる機会が増え、麻雀の世界へのめり込んでいった。

立教大学文学部日文科に進学後、大学2年時には最高位戦日本プロ麻雀協会のBリーグ予選に挑戦し、勝ち進んでプロ資格を取得。また、東京六大学麻雀リーグの発足に尽力し、立教大学のキャプテンとしてリーグ戦に出場した。この頃、明治大学キャプテンであった漫画家の片山まさゆき氏と出会い、後の盟友関係が始まる。片山氏からは、その得意な手役から「メンチンの馬場」と呼ばれた。

大学中退後は、編集、ライター、劇画原作など、麻雀関連の裏方稼業を本格化させる。やがて、人気漫画家となった片山まさゆき氏の代表作『スーパーヅガン』や『ぎゅわんぶらあ自己中心派』に登場するキャラクター「ババプロ」のモデルとなり、一般にもその名が知られるようになる。一方で、自身はプレイヤーとしてよりも裏方業に自身の適性があると感じるようになり、最高位戦を脱会。麻雀プロのプロデュースや業界全体の活性化に注力する道を歩み始める。

麻雀企画集団バビロン

1999年、麻雀ライター集団「バビロン」の活動拠点として有限会社バビロンを設立。2015年には株式会社へと改組する。同社は、麻雀大会の運営や、テレビ・ウェブテレビ番組の制作を主業務とし、多岐にわたる企画を手掛けている。馬場は、肩書きを好まなかったとされるものの、「麻雀企画集団バビロン総帥」の肩書に就き、その活動を牽引した。同社は「麻雀最強戦」「モンド麻雀プロリーグ」「THEわれめDEポン」「夕刊フジ杯麻雀女王決定戦」など、日本の主要な麻雀番組の制作に深く関わっており、その影響力は麻雀メディア全体に及んだ。

人物・エピソード

愛称は「バビィ」や「ババプロ」。好きな手役はメンゼンでのチンイツ（清一色）であり、「メンチンのバビィ」の異名を持つ。麻雀戦術書の定番ジャンルとなった「何切る」（どのような牌を切るべきか問う問題）問題の作成を得意としており、関連書籍を多数出版し、この形式の普及に大きく貢献した。桜井章一氏主催の雀鬼会に参加していた経歴もある。また、遅刻癖があることでも知られ、初回収録に大幅に遅刻したMONDO21杯では、それが原因で解説者を交代させられたというエピソードも語られている。モンド麻雀プロリーグにおいては、プレイヤーとしても第3回MONDO21杯で2位、第8回で3位となるなど活躍を見せた。

晩年と死去

2021年2月より、自身が癌と闘病中であることを公表していた。その後も麻雀界のイベント等に顔を見せていたが、2024年7月28日、享年65歳で逝去した。訃報は、同年7月30日に麻雀企画集団バビロン代表の黒木真生氏によって公表された。

業績

馬場裕一氏は、黎明期から現代に至る日本の麻雀メディアの歴史において、中心的な役割を果たした一人である。ライターとして数多くの著作を執筆・編集し、特に「何切る」シリーズは麻雀戦術書の分野で広く読まれた。また、解説者として多数のテレビ・ウェブテレビ番組に出演し、分かりやすい語り口で麻雀の魅力を伝えた。映画やオリジナルビデオの麻雀指導なども手掛けている。麻雀企画集団バビロンを通じた番組制作や大会運営は、プロ麻雀の発展と普及に大きく貢献した。常に麻雀界の発展を願い、裏方として、また時には表舞台で活動したその功績は大きい。

主な著書

• - マージャン百科全書 バカヅキハリケーン
• - 近代麻雀 何を切る シリーズ
• - 定本 何を切る!? シリーズ
• - バビィの麻雀特訓コース
• - バビィの麻雀捨て牌読み
• - 麻雀最強戦全史 など多数

主な出演

• - 麻雀最強戦
• - THEわれめDEポン
• - モンド麻雀プロリーグ
• - 麻雀脳
• - Ｕ-50 日テレプラス麻雀リーグ など多数

これらの活動を通じて、馬場裕一氏は多くの麻雀ファンや関係者から「バビィ」の愛称で親しまれ、日本の麻雀文化に多大な影響を与えた。

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