驫木駅

驫木駅：日本海に沈む夕日と歴史が織りなす静かな駅

青森県西津軽郡深浦町大字驫木字扇田に位置する驫木駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）五能線沿線にある、静かで風情のある無人駅です。昭和9年（1934年）12月13日の開業以来、地域の人々の生活と深く結びつき、多くの物語を紡いできた歴史を持っています。

歴史と変遷

1934年の開業以来、驫木駅は地域の重要な交通拠点として機能してきました。国鉄分割民営化（1987年）を経てJR東日本へと移管され、2008年には駅舎の改修工事が完了しました。2010年には深浦駅から五所川原駅へと管理駅が変更となり、現在に至ります。2024年には、えきねっとQチケのサービスも開始され、利用者の利便性向上に貢献しています。

木造駅舎と絶景

1951年建築の木造駅舎は、シンプルながらも温かみのある佇まいです。待合室のみのコンパクトな構造ですが、「驫木駅 思い出ノート」が設置されており、訪れる人々の思い出が積み重ねられています。

ホームからは日本海に沈む夕日を眺めることができ、その美しさは多くの旅人を魅了してきました。ホーム北側には、日々の夕日の方向を示した「夕焼け暦」と夕日時計が設置され、自然の移ろいを体感できます。

駅周辺とアクセス

駅周辺には驫木漁港や驫木郵便局、国道101号などがあり、地元の生活圏の中心として機能しています。駅へのアクセスは、主に車やバスを利用することになります。

映画やCMへの登場

驫木駅は、その独特の雰囲気から、数々のメディアに登場しています。2002年にはJRのトクトクきっぷ「青春18きっぷ」のポスターに採用され、「日本海が迫る小さくて素朴な駅舎、驫木という名前にも味わいがあり、旅情を誘うたたずまいがある」というキャッチコピーと共に紹介されました。また、2023年にはJR東日本のCM「東北へ篇」にも登場し、その存在感を広く知らしめました。

さらに、山田洋次監督作品『男はつらいよ 奮闘篇』（第7作）にも、さくら（倍賞千恵子）が驫木駅に降り立つシーンが登場します。この作品では、マドンナの太田花子（榊原るみ）が驫木出身という設定で、1970年当時の旧駅舎と五能線が映し出されています。

駅名の由来

駅名である「驫木」は、周辺の集落名に由来します。その由来は、波の音や瀬の音が轟き、3頭の馬も驚いたという、自然の迫力を感じさせるものです。「驫」という漢字は、日本の駅名で使用されている漢字の中で最も画数の多い漢字（30画）としても知られています。

五能線における位置

驫木駅は、五能線において追良瀬駅と風合瀬駅の中間に位置します。快速列車は通過しますが、普通列車は全列車が停車します。

まとめ

驫木駅は、歴史と自然、そして人々の生活が織りなす、魅力あふれる駅です。静かな佇まいと絶景、そして数々の物語が、訪れる人々に忘れられない思い出を刻み込むことでしょう。 日本海に沈む夕日、そして木造駅舎の温もりを感じながら、ゆっくりと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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