高周波

高周波とは？

様々な波動現象において、比較的高い周波数の波を「高周波」と呼びます。音波の場合は「超音波」と呼ばれることが多いです。しかし、高周波という表現だけではその周波数範囲は曖昧で、人間の可聴域を超える高音から、無線通信に使われる周波数まで含みます。低周波と対比される概念であり、明確な周波数の境界線はありません。

無線工学における高周波

無線工学の文脈では、高周波は「無線周波数 (radio frequency, RF)」を指し、無線通信の搬送波として用いられる電気信号や電波のことを意味します。キロヘルツ以上の周波数を高周波と呼ぶ場合もありますが、明確な基準はありません。用途によって、数10キロヘルツ程度でも低周波に分類される場合があります。オーディオ信号や電子回路では、音声周波数帯域と同程度の周波数は低周波とみなされますが、無線通信では10キロヘルツ以上が高周波と認識されます。

高周波に対して、無線通信において搬送波に乗せる信号（例えば、音声信号）の周波数は「低周波」または「音声周波数 (audio frequency, AF)」と呼ばれます。また、スーパーヘテロダイン受信機などでは「中間周波数 (intermediate frequency, IF)」という概念も用いられます。これは、扱いやすい低めの高周波数帯域を指し、こちらも明確な周波数範囲は定義されていません。

美容・医療分野における高周波

美容や医療分野では、「超音波」や「ラジオ波 (Radio Frequency)」として高周波が利用されています。ラジオ波は、無線工学における無線周波数の直訳です。誘電加熱を利用して、体の組織を温める目的で使われます。

美容分野では、基礎代謝の向上による痩身効果が期待されています。医療分野では、温熱療法（ラジオ波焼灼術）や電気メスなどに利用され、温熱効果によって筋肉や内臓を局所的に温めます。一般的に使用される周波数は1MHz以下や3MHzで、電気メスでは300kHz～5MHzの周波数が用いられます。

このような高周波機器の中には、AMラジオ放送や船舶・航空通信の周波数帯を使用するものが存在します。そのため、出力50W以上の高周波利用設備を設置、変更、または廃止する際には、所轄の総合通信局への設置許可申請が必要となります。

まとめ

高周波は、分野によってその定義や使用用途が異なる広い概念です。音波、電波、医療機器など、様々な場面で利用されており、それぞれの分野における特徴を理解することが重要です。特に、無線通信や医療機器における高周波の使用については、関連法規への十分な注意が必要です。 高周波技術の進歩は、通信技術や医療技術の発展に大きく貢献しており、今後も様々な分野での応用が期待されます。

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