高家

高家の概念と歴史

高家（こうけ）という用語は、古くから由緒正しい家・名門・権威のある家柄を示す言葉です。この言葉は、平安時代前期に書かれた太政官符において「王臣家」や「勢家」と同義的に使用されており、まさに格式の高さを象徴していました。また、文学作品『源氏物語』や『今昔物語』などでも名門や権勢家の意味で使用されたことが確認されています。

高家は、単なる家系を指すだけでなく、その家がもつ権力や影響力にも焦点が当てられることが多く、特に鎌倉時代の『保元物語』や室町時代の『太平記』といった軍記物語にも頻繁に登場します。これらの文献では、武士団の中での比較として、伝統を重んじる武士の家や名を馳せた武将を指す際に使われていました。

江戸時代の高家

江戸時代に入ると、高家は新たな意味を持つようになります。江戸幕府の政体において、高家という用語は特定の役職名となり、たとえば特定の職務に就く家系はその名を名乗ることがありました。特に紀州藩や米沢藩などでは、高家職が設置され、これに従事する家々は地位と特権を有していました。

この時代は、上流社会の特性が色濃く反映されており、高家という存在は権威や人間関係の仕組みを理解する上で重要な要素となりました。

高家にまつわることわざ

高家に関連する有名なことわざとして「高家の妻は七人半のあてがい」があります。このことわざは、上流社会において妾を持つことが一般的であったことを指摘しています。この場合、7人半のあてがいとは、一夫多妻制の社会的許容範囲を示しており、7人半、つまり7人までの妻を持つことがさしつかえないという意味が込められています。

このように、高家という言葉はただの家柄の呼称ではなく、その背後には歴史的な背景や文化的な要素が多数存在し、時代とともに変遷してきたことが見て取れます。また、高家が持つ意味は、社会構造や価値観の変化とも切り離せないものです。

参考文献

• - 『国史大辞典 5巻』　吉川弘文館、1985年。
• - 『南紀徳川史 第八冊』

関連項目

• - 高家 (江戸時代)

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