鴻之舞

鴻之舞（こうのまい）

鴻之舞は北海道紋別市の南部に位置する地名であり、かつては鉱山が栄えた町でした。この地域は、1890年代後半にオホーツク海側で発見された砂金が起因となり、ゴールドラッシュの象徴的な場となりました。そのなかで、1915年に鴻之舞で金鉱が発見されたことが、大きな転機となりました。

地理的背景

鴻之舞は、元紋別から北海道道305号紋別丸瀬布線を南に約30キロメートルたどった場所にあります。この地名の由来は、アイヌ語で「ク・オマ・イ」（弓がある所）と言われています。鉱山町としての栄光を持ちながらも、自然の美しさと静けさがある場所でもあります。

鉱山の歴史

鴻之舞の金鉱は、1915年に発見されて以降、地元の有志によって鉱区が設定され、操業が始まりました。1917年には住友に経営権が移行し、鉱床の発見が相次いで続きました。1940年には年間で金2.5トン、銀46トンを産出するまでに成長し、地域内の人口は約13,000人に達しました。

第二次世界大戦の影響を受け、一時的に規模は縮小したものの、1955年には金の年間最高産出量を記録するなど、町は非常に賑わいを見せていました。1949年には、鴻之舞と紋別市街を結ぶバス路線が開通し、コミュニティとしての生活基盤も整いました。

鉱山閉鎖とその後

しかし、金価格の下落や資源の枯渇が影響し、1973年には鴻之舞鉱山が閉山に至りました。かつての栄光を誇った町は、人が住まなくなり、国勢調査においては1975年以降、人口0人が続いています。この地域は携帯電話の普及後も通話不能地域として知られています。

現在、この地区では沈殿池の管理者のみが活動をしており、かつての栄光を偲ばせる遺構が残されています。干上がった沈殿池や大きな煙突、発電所の跡、そして鴻紋軌道の痕跡などが見られます。また、鉱山の歴史を伝えるために設置された碑や、鉱山の犠牲者を悼む慰霊碑、小学校跡の碑などが、その名残を今に伝えています。

交通の要素

鴻之舞へのアクセスは、主に北海道道305号紋別丸瀬布線および北海道道137号遠軽雄武線を利用することになります。この地名は歴史的な意義を持つ場所であり、訪れる人々にその痕跡を感じさせる特別な存在です。

鴻之舞はかつての賑わいや人々の活動があった場所であるが、現在は静まり返った土地となり、その名前は過去の歴史を語り継ぐものとなっています。

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