鵯越駅

鵯越駅：歴史と自然に囲まれた神戸電鉄の駅

神戸電鉄有馬線沿線に位置する鵯越駅は、兵庫県神戸市兵庫区里山町にあり、標高134mの地に佇む駅です。六甲山地の山々に囲まれた自然豊かな環境と、歴史的出来事の舞台として知られる場所でもあります。

歴史の重み：数々の出来事を経て

1928年、神戸有馬電気鉄道の湊川～有馬温泉間の開業と同時に設置された鵯越駅は、長い歴史の中で幾多の出来事を経験してきました。1938年には駅近くのトンネル内で正面衝突事故、1944年には生徒を乗せた列車の脱線転覆事故が発生するなど、多くの犠牲者を出した痛ましい歴史も抱えています。これらの事故は、駅の安全対策の強化へと繋がる契機となりました。1947年には三木電気鉄道との合併、1949年には社名変更を経て神戸電気鉄道の駅となり、1988年には神戸電鉄へと引き継がれています。近年でも、2002年には乗客転落事故が発生しており、安全対策の重要性を改めて認識させる出来事となりました。2005年には上りホーム側に改札口が新設され、同時に跨線橋が廃止されるなど、駅構造の大きな変更が行われています。

駅構造：安全と効率性を追求した設計

地上駅である鵯越駅は、相対式ホーム2面2線を有しており、ホームの有効長は5両分です。駅はカーブ上に位置しているため、乗客の転落防止を目的とした転落検知マットやITV装置が設置され、安全対策が強化されています。改札口は上下線ホームの新開地寄り、独立した形で設置されており、ホーム間を直接結ぶ通路はありません。かつては下りホーム側に駅舎があり、上りホームへは跨線橋で連絡していましたが、2005年の改札口新設に伴い跨線橋は撤去されました。駅務遠隔システムの導入により、駅員巡回駅として運営されており、有人改札や売店などは設置されていません。自動券売機、自動改札機、自動精算機、TVカメラ、インターホン、シャッターなどはすべて遠隔操作で管理されています。

運行状況：普通列車のみ停車

鵯越駅には普通列車のみ停車します。日中の運行本数は1時間に4本、朝ラッシュ時は最大8本に増便されます（2022年ダイヤ改正時点）。隣の駅である丸山駅と鈴蘭台駅の間には、かつて菊水山駅が存在していましたが、2005年に休止、2018年に廃止されています。鈴蘭台駅までは神戸電鉄の中でも最長の駅間距離となっています。

駅周辺：豊かな自然と歴史的建造物

駅周辺は六甲山地の豊かな自然に囲まれており、六甲縦走の拠点駅としても利用されています。周辺には、ひよどりごえ森林公園、神戸市立鵯越墓園、鵯越大仏、市道夢野白川線（旧西神戸有料道路）などの施設があります。

まとめ：歴史と自然が調和する駅

鵯越駅は、歴史的背景と自然環境が調和した、独特の雰囲気を持つ駅です。幾多の困難を乗り越え、安全対策を強化しながら現在も地域住民の足として重要な役割を担っています。今後、さらなる発展と地域社会への貢献が期待されます。

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