鈴蘭台駅

鈴蘭台駅：神戸電鉄の要衝、そして地域の核

神戸電鉄有馬線・粟生線の駅、鈴蘭台駅は兵庫県神戸市北区鈴蘭台北町に位置する、同鉄道における重要な拠点です。駅番号はKB06。標高278mという高台にあり、南北に高低差がある独特の地形が駅の構造にも影響を与えています。

歴史と変遷：避暑地からニュータウンへ

戦前、鈴蘭台地区は「関西の軽井沢」と呼ばれるほど、ダンスホールやビアホールなどを擁する避暑地として栄えていました。戦後はニュータウン開発が推進され、特に神戸高速鉄道の開業による阪急・阪神線との接続開始以降、人口は急激に増加しました。この発展は鈴蘭台駅の利用者数増加にも直結し、駅の機能向上も求められるようになりました。

1928年（昭和3年）11月28日、神戸有馬電気鉄道湊川～電鉄有馬（現・有馬温泉）間開業と同時に小部駅として開業。その後、1932年（昭和7年）8月1日に鈴蘭台駅と改名されました。駅名の由来は、高原に咲く清楚なスズランの花からとられたと言われています。

近年の再開発事業により、2018年9月には北区役所と商業施設が入居する駅ビル「ベルスト鈴蘭台」が開業、同駅ビルと連結した橋上駅舎も供用開始されました。さらに2020年7月には、ロータリー整備を含む駅周辺の再開発事業が完了し、駅周辺環境は大きく改善しました。これらの開発は、地域の活性化にも大きく貢献しています。

駅構造：島式ホームとバリアフリーへの対応

鈴蘭台駅は、南北で高低差があるため、南側は盛土駅、北側は地上駅という構造になっています。改札はホーム上にあり、エスカレーター、エレベーター、階段で改札とホームが接続されています。島式2面4線のホームを持ち、有馬線と粟生線は方向別にホームを共有する構造です。

バリアフリー化への取り組みも進められており、2011年（平成23年）3月にはホームと地下道をつなぐエレベーターが設置され、地下道に面して南改札口が新設されました。ただし、エレベーター設置に伴いホーム全長は縮小しています。現在は全線4両編成に対応しています。

列車運行：有馬線・粟生線の分岐点

鈴蘭台駅は有馬線と粟生線が分岐する地点であり、鈴蘭台車両基地や運転指令所も隣接しているため、神戸電鉄の列車運行における中心的な役割を担っています。多くの列車で乗務員交代が行われるのも特徴です。

ラッシュ時やその前後には、駅員に加えアルバイトのホームスタッフも配置され、安全確認や放送対応にあたっています。特に混雑する時間帯には、複数の係員が安全確保に当たっています。

一部列車は鈴蘭台駅で折り返し、車両基地での点検が行われます。また、車両基地から運用開始される列車は1番線に入線し、新開地行となります。新開地方面の始発列車は4時51分発で、神戸電鉄全駅で最も早い始発時刻です。

全ての列車が停車し、準急は当駅から北側（西側）は各駅停車となります。準急については、乗務員交代時に通過標識灯の点灯・消灯の切り替え作業が行われています。

駅周辺：住宅地と商業施設が共存

駅周辺は商店、事務所、住宅が密集しており、生活利便性が高い地域です。バス路線も整備されており、周辺地域へのアクセスも良好です。

隣の駅

有馬線方面では湊川駅（KB02）と北鈴蘭台駅（KB07）、粟生線方面では鈴蘭台西口駅（KB41）が隣接しています。鵯越駅までは神戸電鉄の路線の中で最も駅間距離が長い区間となっています。

鈴蘭台駅は、歴史と近代的な開発が融合した、神戸電鉄の重要な拠点であり、地域住民にとってなくてはならない存在となっています。今後も地域の活性化の中心として、さらなる発展が期待されます。

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