鹿児島県上野原縄文の森

鹿児島県上野原縄文の森

鹿児島県霧島市に位置する上野原縄文の森は、県営の歴史公園であり、考古学の拠点でもあります。この施設は、歴史の学びを深める場として整備され、特に縄文時代から中世にかけての遺跡である上野原遺跡を保存・公開しています。この遺跡は国の史跡に指定されており、日本の歴史公園100選にも選ばれるほどの重要な場所です。

上野原遺跡の背景

上野原遺跡は、約9500年前の縄文時代の早期から中世までの歴史を持つ複合遺跡で、標高250～260メートルの台地上に展開しています。この遺跡は1986年に工業団地の造成途中に発見されたことから始まりました。当初は「上野原テクノパーク」として開発される予定だったものの、発見された弥生時代の竪穴建物がきっかけで、その発掘調査が進められました。

結果、52棟の竪穴建物や集石遺構、連穴土坑などが見つかり、これらは縄文早期の定住集落の証拠です。更に中世に至る遺物も出土し、この地域の歴史的重要性が示されました。1997年、鹿児島県知事の須賀龍郎が遺跡の保存を表明し、1999年には国の史跡に指定されました。

その後、上野原縄文の森として整備が進められ、2002年に開園しました。公園内では、発掘された遺構を保存し、訪れる人々が歴史を体験できる様々な施設が整えられています。

主要な施設

上野原縄文の森は、公益財団法人鹿児島県文化振興財団が運営しており、以下のような施設があります：

• - 上野原縄文の森展示館: ここには、上野原遺跡から出土した縄文時代の遺物や、県内各地の遺跡から発見された貴重な資料が展示されています。
• - 遺跡保存館: 遺跡で実際に発掘された竪穴建物などを覆い、見学者がその歴史に近づけるようになっています。
• - 地層観察館: 地層に埋まった遺物を観察できる展示があり、土壌の堆積状況を理解できます。
• - 体験学習館: 縄文文化の体験学習ができる施設で、訪れる人々がより深く歴史を感じられる場所です。
• - 復元集落: 縄文時代の生活様式を再現した集落があり、当時の人々の生活が垣間見えます。
• - 古代家屋群: 複数の遺跡から復元された竪穴建物があり、文化の多様性を示しています。
• - 鹿児島県立埋蔵文化財センター: ここでは鹿児島県全域の埋蔵文化財の発掘調査を行い、専門的な報告書が作成されています。

このような施設により、上野原縄文の森は鹿児島県内の考古学研究の中心地となっています。

出版物

上野原縄文の森では、様々な出版物があり、学術的な研究や展示内容に関する情報を提供しています。例えば、常設展示図録や企画展の図録、縄文文化に関する特集本などが出版されています。これらの資料は、訪れる人々や研究者にとって貴重なリソースとなっています。

結論

鹿児島県上野原縄文の森は、縄文時代の文化を学び、体験することができるユニークな場所です。豊かな知られざる歴史に触れられるこの公園は、地域の文化遺産を次世代に伝えるための重要な拠点となっています。歴史と文化に興味のある方にとって、訪れる価値のある場所です。

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